子ども増やす前に「男は金がないと結婚できない」 子育てにも高コスト 中国の少子化改善に難題

2021年5月31日 22時00分
 【北京=中沢穣】中国の習近平しゅうきんぺい指導部が少子高齢化の加速に強い危機感を示し、夫婦1組につき子ども3人まで認める政策を発表した。しかし中国では「一人っ子政策」が長く続いたため、特に都市部では出産や子育ては子ども1人を前提とした高コスト体質が定着したほか、経済発展に伴う住宅難などから結婚のハードルも高い。少子化の改善は容易ではない。

中国・北京で5月3日、肩車されて天安門広場を訪れた男の子=AP

◆「一人っ子政策」の弊害

 中国のネット上で最近、「躺平とうへい」(寝そべるの意味)という言葉が流行。若者が受験や就職などの激しい競争に疲れ、高い社会的地位を求めることや結婚、出産などをあきらめることを指す。官製メディアは批判的に報じるが、四川省成都市にある小学校の男性教諭(27)は「貧富の格差が定着して努力しても報われない。男は金がないと結婚もできない。そんな状況が見えないのか」と憤る。中国では、結婚前に男性側が新居や車を用意するのが一般的で、不動産価格の高騰が結婚難をもたらしている。

◆子が増えれば費用も

 経済成長の鈍化も進む中、出産や子育ての費用も高い。公的な保育制度が整備されていないため、共働き世帯の場合は、子どもが幼稚園に入る3歳まで祖父母が世話をするか、高額な家政婦を雇うしかない。2016年から子どもを2人目まで認める「二人っ子政策」が始まったが、少子化傾向は逆に加速している。増大する経済的負担から2人目をあきらめざるを得ないためだ。
 習指導部は5月31日の共産党中央政治局会議で、子育てや教育費用の高騰のほか「結納金の高額化など社会の不良風習を管理する」などと結婚難をもたらす要因を排除する考えを示した。税制や住宅購入などの面で子育て支援に取り組む方針も明らかにしたが、具体策は示していない。

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