【独自】4棟の階段、緊急に修理必要 八王子の階段崩落「則武地所」施工

2021年6月1日 06時00分
 東京都八王子市のアパートで外階段が崩落し住民が転落死した事故で、アパートを施工した建築会社「則武地所」(相模原市、破産手続き中)が都内と神奈川県内で手掛けた166棟以上について、6棟の階段踊り場などで腐食や劣化が見つかり、うち4棟は緊急に修理が必要なことが分かった。自治体が調査し、国土交通省が取りまとめた。住民は事故が起きないか不安を抱えたまま暮らしている。
 同省によると、2010年4月以降に完了検査を受けた2都県内の2階建て以上の共同住宅を自治体職員が調査。八王子市の5棟、神奈川県厚木市の1棟で腐食や劣化が見つかり、所有者に対応を求めたという。

◆1メートルのひび「危険」

 6棟のうち八王子市日吉町の木造3階建てアパート(築9年)では、1階の階段の上り口に約1メートルのひびが見つかった。「危険ですので踏まないようにしてください」と住民に注意を促す張り紙とともに赤いコーンが置かれていた。2階の男性会社員(27)は「施工が事故の業者とニュースで知った。早く直してもらいたい」と話した。
 同市北野町の木造3階建てアパート(築8年)は2、3階をつなぐ踊り場の真ん中がへこんだ状態に。管理会社が階段に足場を設置して補強したが、3階の男性会社員(21)は「見るからにへこみが分かり、抜けたらと思うと怖い」と不安な表情を浮かべた。同市片倉町の3階建てアパート(築4年)も踊り場に穴が開き、補修したという。
 事故は4月17日、八王子市南新町の木造アパート(築8年)で外階段が崩落し、3階の住民女性(58)が死亡した。捜査関係者によると、防腐、防水加工が不十分だったため踊り場の木材が腐食し、鉄製の階段が崩落したとみられる。

◆会長「事故物件は三男に任せていた」

 警視庁捜査一課は、同社の実質経営者だった会長の男性らを事情聴取するなどして、業務上過失致死容疑で捜査している。
 捜査関係者によると、会長は事情聴取に対し「事故物件に3、4回行っただけで、当時社長だった三男に任せていた」と説明。一方、三男は「踊り場を誰が造ったかや防水加工をしたかどうかも分からない」と話しているという。(奥村圭吾、天田優里)

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