ワクチン予約重複で自治体に負担 大規模接種受け入れ拡大

2021年5月31日 22時50分

接種人数が1万人規模となった自衛隊の新型コロナワクチン大規模接種センター。受け付けまで時間がかかるが、接種自体はスムーズに実施された=5月31日、東京都千代田区大手町で

 自衛隊の大規模接種センターの受け入れ対象の拡大で、接種人数の増加が期待される一方、独自のセンターとの重複予約を確認する必要がある地方自治体にとっては、負担が増すことになる。
 「国(自衛隊)、県、市町村の各接種会場との三重予約もありえる」。埼玉県のワクチン接種担当者は懸念を表す。
 同県は1日、独自の高齢者ワクチンセンターの運営を始める。しかし、県の予約システムは自衛隊とも、県内市町村とも連携しておらず、重複を防げない。
 自衛隊や都道府県のセンターで接種した人の情報は、国のワクチン接種記録システム(VRS)に登録される。市町村はVRSにログインして、自衛隊や都道府県のセンターで接種を受けた人の予約が残っていないか確認できる。
 ただ、個人情報の保管は市町村の権限のため、自衛隊や都道府県はVRSで登録内容を確認できない。
 このため、埼玉県は重複チェックのため、県の予約者データを市町村に提供する。市町村から重複者に連絡を取り、いずれかの予約をキャンセルしてもらおうという考えだ。

◆担当者「大規模接種は想定してなかった」

 ただ、さいたま市の担当者によると、県会場に予約した市民は1000人を超える。「重複者の数によっては、一人一人に連絡をとるのが現実的か分からない。自衛隊会場との重複確認を含めて対応を検討中。当初、大規模接種は想定してなかった」と困惑気味だ。
 自治体独自の大規模接種体制の整備が進む中、自衛隊の東京会場にどれだけ予約があるか読めない部分もある。
 防衛省によると、31日に始まった6月7日から同月13日の接種枠7万人分の予約は、埋まりそうな勢いという。

◆「緊急事態宣言中の東京に行くなんて」

 ただ「横浜駅に買い物に行くことも控えている。緊急事態宣言中の東京に行くなんて考えられない」=横浜市南区、無職斎藤幸枝さん(80)=という声もある。
 斎藤さんのかかりつけ医は接種をしておらず、別のクリニックは断られた。市の集団接種は電話もインターネットもつながらなかった。それでも電車を乗り継いで都内に行くのをためらう。「現地での時間も含め何時間かかることか」と話し、身近な接種場所の充実を望んでいた。(星野恵一、杉戸祐子)

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