「五輪が開かれるかどうかの実験台…」外出の自制どこまで? 海外選手団が初入国、ソフトボール豪州 

2021年6月1日 22時02分
 東京五輪の事前合宿のため来日したオーストラリアのソフトボール代表は、新型コロナウイルス対策として厳重な健康管理と行動確認の対象となる。事前合宿の成否は、大会本番を占う試金石。毎日のウイルス検査や外出防止など、感染防止対策の実効性が注目される。(市川勘太郎、原田遼)

 ホテル前で記念撮影する女子ソフトボール豪代表の選手たち=1日、群馬県太田市で

◆「安全が第一」
 「五輪が開かれるか否かの実験台という気持ちも無いわけではない」。豪州チームが滞在する群馬県太田市。清水聖義まさよし市長は5月31日の記者会見で、複雑な心境を口にした。
 約30人の選手団は1カ月半の間、市内のホテルの3フロアを借り切って滞在する。ホテルの阿部泰明フロントマネージャー(39)は「安全が第一で、一般客と接触しないよう動線を分ける。外出できない選手たちに、最大限のおもてなしをしたい」と話した。
 選手だけでなく、選手と接触するホテル関係者は毎日、PCR検査を実施。練習場所には専用バスで移動し、練習以外の外出は禁じる。日用品の買い物は、市職員が代行する。
 五輪本番でも、毎日の検査や専用車での移動、試合・練習以外の外出禁止がコロナ対策の中心だ。大会組織委員会の幹部は「豪州チームは最初なので失敗できない」と語った。
◆「ウイルス持ち込みあり得ぬ」
 豪州は、国内の1日当たりの新規感染者が10人前後に抑え込まれており、選手団は全員がワクチンを接種済みだ。清水市長は「選手らがウイルスを持ち込むことは、100%あり得ない」と、逆に住民から選手に感染させるケースを懸念した。
 市は「健康な人を犯罪者のように扱いたくない」として、選手の行動を監視する職員は置かない方針。選手らが無断で外出することも可能になる。
 4~5月に東京都などで行われた各競技のテスト大会では、外出制限に合意して来日したにもかかわらず、「制限が厳しすぎる」と不満を漏らす選手団もあった。長丁場の合宿で、どこまで外出を自制できるかは未知数だ。
◆各地で中止
 来日する選手団にとって、事前合宿は時差や高温多湿の気候に順応するために不可欠な準備。合宿受け入れや交流事業を行う「ホストタウン」は、日本各地の500以上の自治体が登録しているが、コロナ禍で中止が相次いでいる。
 丸川珠代五輪相によると、中止は5月14日の45自治体から、今月1日の105自治体へ倍増した。
 そのうち、相手国からの申し出で中止したケースが77自治体に上り、自治体側が申し入れた例は7にとどまった。
 日本の感染状況やワクチン接種率の低さが不安視されたとみられる。中止が相次ぐことで、大会本番の選手の体調やパフォーマンスに悪影響を与えないか、懸念される。

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