「面会の記憶なく、現金も受け取っていない」 IR汚職事件の被告人質問 秋元被告、改めて無罪主張 

2021年6月1日 22時09分
 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件で、収賄と組織犯罪処罰法違反(証人等買収)の罪に問われた衆院議員秋元司被告(49)=自民党を離党、東京15区=の被告人質問が1日、東京地裁で始まった。秋元議員は現金の受領を改めて否定し、無罪を主張した。
 秋元議員は、IR担当の内閣府副大臣だった2017~18年、日本でのIR参入を目指していた中国企業「500ドットコム」側から総額約760万円相当の賄賂を受け取ったとして起訴された。500コム側の4人は贈賄罪で有罪が確定している。
 秋元議員はグレーのスーツにノーネクタイで出廷。証言台の前に座り、弁護人の質問に答える形で「500コム側に特別な情報を教えたことはない」「私にIR事業に参入させる力量はない」と便宜供与を否定した。
 17年9月の衆院解散当日、議員会館の事務所で500コムの元顧問2人から現金300万円を受け取ったとされる起訴内容については、「面会した記憶はなく、現金も受け取っていない」と早口で否定した。
 秋元議員は収賄罪で起訴された後の20年2月、保釈された。その際、元顧問2人が現金提供を認めている内容の供述調書を読み、「自分が経験していないことが書かれていて、『なんでこんなことを言うんだ』という怒りや疑問があった」と振り返った。
 秋元議員は20年8月、元顧問2人に知人らを通じて、議員会館での面会を否定するなど虚偽の証言を依頼したとされる証人買収事件でも逮捕され、現在も勾留が続いている。
 贈賄側に接触を試みた理由について「どうしてうそを言うのか、真実を追及したいという思いが強かった」と説明。知人らは証人買収罪で有罪が確定しており「取り返しがつかないことになった。本当に申し訳なく思う」と小さな声で語った。(山田雄之)

◆収賄側、贈賄側で食い違う証言 


秋元議員は被告人質問で、現金300万円の授受を改めて否定した。秋元議員が問われた収賄罪のうち、贈賄側から現金を直接受け取ったとされるのはこの1回だけだ。現金の手渡しはあったのか否か。
 焦点となっているのは2017年の衆院解散当日、議員会館の事務所での現金授受。秋元議員は被告人質問で面会自体を否定したが、500ドットコムの元顧問2人はこれまでの証人尋問で「500コムからの陣中見舞いとして現金を渡すと、『ありがとう』と言って受け取ってくれた」とそろって証言している。
 秋元議員の主張を支えるのが、刑法の「身分なき共犯」として秋元議員とともに収賄罪に問われている元政策秘書の豊嶋晃弘被告(42)だ。
 先月あった自身の被告人質問では、「衆院解散当日、事務所で元顧問2人に会った記憶はない」と秋元議員の主張に沿う内容を述べていた。(池田悌一)

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