異空間に「ととのう」

2021年6月2日 07時24分

「降り注ぐ雨の中で増殖する無量の生命」(撮影のため、マスクを外しています)

 数々の没入型アート作品を見せてくれるアート集団・チームラボが、今度はサウナで新しい体験をさせてくれるという。東京・六本木で8月31日まで開催中の「チームラボ&TikTok、チームラボリコネクト アートとサウナ」の内覧会に出かけた。
 サウナ、冷水、休憩を繰り返した後に起こる、体はリラックスしているが頭はさえた状態を、サウナ好きの間では「ととのう」という。その状態でアートを鑑賞する体験だ。
 映像で体験の仕方や注意点を確認し、水着と館内着に着替えてサウナエリアへ向かった。
 7つのサウナのうち、赤い照明の部屋に入った。スタッフが熱した石にほうじ茶をかけて、蒸気(ロウリュ)をタオルであおぐ。ほうじ茶の香ばしいにおいが立ちこめ、熱気が体を包む。じわじわと汗が出てきた。「サウナ10分、冷水1〜2分、アート浴10分、これを3回繰り返すのがおすすめ。ぜひ、いつもと違う世界を見てほしい」とスタッフ。

サウナ室「Fire Red」は赤い照明で温度は90度、ほうじ茶の香りが漂う=いずれも東京・六本木で

 冷水エリアは、禅における書画「円相」が空間に表現されており、異空間に入ったようだった。シャワーは冷たくて1分我慢するのがやっと。水を飲み、よく体を拭いてアート浴エリアに向かう。
 作品のひとつ「空中浮揚−平面化する赤と青、曖昧な紫」は、赤い大きな球体が上がったり下がったりを繰り返す。球体が意思を持っているように見えた。最後は季節の花が誕生と死を繰り返しながら増殖する「降り注ぐ雨の中で増殖する無量の生命」を鑑賞。ほかのチームラボの施設でもおなじみの作品だが、ふわふわと、自分も作品の一部になったかのような没入感が味わえた。このふわふわ感が「ととのう」ということなのか。一方で、ととのった状態にならない人もいるという。
 「サウナでととのうことにより、鑑賞者自体を没入しやすい状態に持っていく、新しいアート鑑賞法の壮大な実験と実証の場とも言えます」(チームラボ広報)。体験後、さわやかな気持ちで六本木の街を歩いた。 (宇田川雅子)
 港区六本木5の10の25。平日4800円ほか。日時指定予約制。館内着、タオルなど無料。11歳以下は利用不可。申し込みは公式ホームページで。

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