朝から焼肉、ラーメン、フレンチ... 時短要請で開店早める飲食店<まちビズ最前線>

2021年6月6日 05時50分

1人用ロースターで焼き肉を楽しめる「焼肉ライク新橋本店」=東京都港区で

 新型コロナウイルスの影響で時短営業を強いられている東京都内の飲食店が、朝の営業に活路を見いだそうとしている。朝食メニューではなじみがない焼き肉や豚骨ラーメン、フランス料理の店も参入。出勤前の若者らの胃袋をつかんでいる。(畑間香織)

◆夜の会食なくなり朝食で気分転換

 JR新橋駅前の「焼肉ライク新橋本店」(港区)は、午前7時(日曜・祝日は午前8時)の開店直後から客足が絶えない。席は仕切りがある1人用のテーブルで、肉を焼く調理器具が備え付けられている。タブレットで「朝焼肉セット」(550円)を注文。自ら焼く牛バラカルビとソーセージのほか、ご飯、スープ、生卵、のりが付く。

朝7時から焼き肉を提供している「焼肉ライク新橋本店」=東京都港区で

 東京都大田区の会社員男性(27)は、夜の会食がなくなった代わりに朝の外食で気分転換をする。「朝食の選択肢が増えてうれしい」と肉をほおばった。
 店の営業は時短要請に応じて午後8時まで。開店を4時間早めた。焼肉ライクの有村壮央もりひさ社長(40)は「出勤前の人と、密を避けて早めのランチを食べる人が来ている」と話す。

◆「コロナで大変な人を応援」

 「桂花ラーメン池袋サンシャイン60通り店」(豊島区)は午前8時から、豚骨鶏がらスープの熊本ラーメンを朝食向けに500円で販売する。出勤前という埼玉県三郷市の会社員内山和幸さん(46)は「なかなか500円でラーメンを食べられない。感染対策の仕切り板もあり安心」と、一気に麺をすすった。

午前8時から朝ラーメンを販売する「桂花ラーメン池袋サンシャイン60通り店」=東京都豊島区で

 店の夜の売り上げは半減し、朝の営業と出前で補っている。黄国鉉こうこくげん店長(42)は「コロナで大変な人を採算度外視で応援したい」と意気込む。
 変わり種では、2年連続でミシュランガイドの一つ星を獲得したフランス料理「sio(シオ)」(渋谷区)が平日の午前8時半から、8皿ほどのフルコース(7260円)を提供。マレーシア料理「圧延あつえんジャパン・ミー」(世田谷区)は午前5時から、現地の朝食として定番の混ぜそば(600円)を販売する。
 調査会社エヌピーディー・ジャパンによると、朝の外食市場規模は昨年はコロナの影響で落ち込んだが、単身世帯や共働きが増えていることで拡大傾向にある。同社のあずまさやかさんは「在宅勤務が進んでおり、(駅前の飲食店だけでなく)住宅街にある店にもチャンスがある」と指摘する。

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