地下深くの工事「本当に安全か」 調布陥没事故、広がる余波 リニア計画のJR東海、説明会開催へ

2021年6月3日 06時00分
 東京都調布市の東京外郭環状道路(外環道)の地下トンネルルート上で陥没や空洞が発生した問題を受け、JR東海が8日に、リニア中央新幹線の工事に関する住民説明会を品川区で開くことが分かった。外環道と同様に深さ40メートル超の大深度地下をシールドマシンで掘る工事のため、沿線住民の不安を解消する狙い。参加予定の住民は「真摯な説明を」と求めている。(梅野光春)

◆都内・川崎・名古屋で大深度地下トンネル

 リニアの工事では、品川―名古屋の286キロのうち、都内と川崎市の33キロと名古屋市などの17キロの大深度地下にトンネルを掘る。大深度なら地権者から工事の同意を得る必要はなく、事業者は手続きを省ける。
 JR東海は2018年の住民説明会で「シールドトンネルの施工は40メートル以上深い所に計画しており、騒音・振動の影響はほとんどない」としていた。だが昨年10月以降、調布市の外環道工事現場で陥没や空洞が見つかり、東日本高速道路が工事との因果関係を認めて謝罪。リニア沿線からも不安の声が上がった。
 このためJR東海は、品川、大田、世田谷の3区を通るトンネル9・2キロの沿線住民に、施工上の安全対策を説明する。

◆「外環道での陥没知り、いっそう不安」

 大田区の真保雅一さん(65)は自宅直下をリニアが通る予定で「外環道での陥没や空洞を知り、いっそうリニア工事に不安を感じる。JR東海が外環道の件を十分に分析したうえで、本当に安全・安心と言えるのか、納得のいく説明を聞きたい」と話す。
 会場はJR大井町駅近くのきゅりあん(品川区東大井5)で先着500人まで。問い合わせは、平日午前9時~午後5時にJR東海中央新幹線東京工事事務所=電03(6847)3701=へ。
 ◇ ◇ ◇

◆外環道訴訟では原告「国の主張は破綻」

 東京外環道の練馬―世田谷区のトンネル建設を巡り、国による大深度地下の使用認可の無効確認を求めて住民らが起こした訴訟の口頭弁論が2日、東京地裁(鎌野真敬裁判長)であった。原告側は調布市の住宅地での陥没や空洞問題に言及し、「人身の被害が生じかねない危険な工事だ」と主張した。

口頭弁論後に内容を振り返るなどした原告団の集会=2日、東京都千代田区で

 この日の弁論で原告側は、陥没などが起きた調布市での事前のボーリング調査について「国は『調査は十分だ』と主張してきたが、陥没や空洞が発生した事実により、その主張は粉砕され破綻した」と指摘。大深度の掘削を認可した国の判断の違法性を、改めて強調した。

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