街で出合った カワイイ像(ぞ〜)

2021年6月3日 06時30分
 東京はカワイイもので満ちている−。上野の西郷さん、渋谷のハチ公のように有名じゃないけど、街を歩くと、思わず頬が緩むカワイイ像に出合う。ねえ、あなたはだあれ?

◆うり二つ 子供たち

 しま模様の丸い体で体育座りをする2体の像は、北新宿の柏木地域センターの入り口の「ウリの子供たち」。
 「新宿の柏木村は江戸時代、ウリの産地だったんです」。江戸東京・伝統野菜研究会代表の大竹道茂さん(77)は解説する。江戸開府のころ、戦国武将の好物だった美濃(岐阜県)のマクワウリを栽培したのが、このあたり。鳴子ウリとして江戸東京野菜になっている。
 像の作者は彫刻家の川村易(おさむ)さん。銘板には「ウリが畑にころころとならんでいた姿をヒントに」とある。
 この子たちを見つけた時、大竹さんは大喜びしたという。「江戸の歴史を伝えているものの一つです」

◆なでると恋かなう

 銀座四丁目交差点にそびえる「三愛ドリームセンター」。その両端にまんまる顔のネコが座っている。
 建物に向かって右がオスの「ごろべえ」、左がメスの「のんき」。世界的な彫刻家、流政之さんの作品で、ノルウェー産の御影石から彫り出している。
 一九六三年の開館と同時に設置。センターによると「この前で待ち合わせをしたり、女性はオスを、男性はメスを願いを込めてなでれば恋が成就する」という都市伝説が生まれ、「恋の招きネコ」の案内板を設置した。頭や顔、おしりなどなでる場所によって御利益が異なるとか。
 設置から半世紀たつが、担当者は「今でも二匹をかわいがってくれる人がそこそこいます」と話した。

◆渋谷でウインク

 フクロウ像といえば池袋だが、渋谷駅の東側・宮益坂下付近にも翼を広げてウインクするフクロウ像「ホープくん」がいる。
 約二十年前、駅西側のハチ公像、南側のモヤイ像と並び「東側にもシンボルを」と、地元商店街が設置した。当初は東口の駅前広場にいたが、周辺の開発に伴い今の場所に移動した。
 なぜフクロウ? 父が設置の中心メンバーだった画材店の社長上田一雅さん(60)は「数年前に亡くなった父は、知性の象徴とされるフクロウが大好きだった。宮益坂にも置いて、街を盛り上げようとしていたみたい」と話す。
 知名度は決して高いといえないホープくん。だから待ち合わせスポットの穴場ですよ!

◆輝くペンギン

 JR新宿駅の新南改札を出ると、つぶらな瞳の黄金のペンギンがお出迎え。「Suicaのペンギン広場」のシンボル、Suicaペンギンだ。
 広場はバスタ新宿やJR新宿ミライナタワーが完成し、新南口が大きく変わった二〇一六年三月にオープン。ペンギンは同七月に登場。一九年からの広場の改修工事で一時期姿を消したが、昨年夏に戻ってきた。
 短い足をちょんと上げて、踊っているように見えるが、これは「未来に向かって歩んで行く姿」を表したもの。イルミネーションの季節、まばゆい光が黄金の体に反射し、なんともファンキーな姿は必見!

◆長〜い頭はハレー彗星

 地下鉄九段下駅前の俎(まないた)橋の公園に、頭が天に向けてぐんと伸びた老人がたたずんでいる。台座には「寿人遊星」。一九八六年、ハレー彗星の接近を記念し、七福神の「寿老人」を模して作られた。NPO法人「神田学会」によると、地元の建設会社・久保工が千代田区に寄贈した。作者は東京芸大教授の故山下恒雄氏。
 同学会のホームページによると、「寿老人が宇宙を回遊して、星と共にあまねく市民に長寿を授ける神のお姿」。古代中国で、寿老人は福寿をつかさどる星で、後に人格化され、崇拝されるようになった。寿老人の長い頭は、尾をひいた彗星の姿とも重なって見える。
 像の下には、ハレー彗星が再び地球に接近する二〇六一年に開く、タイムカプセルも埋められている。
 文と写真・山下葉月、宮崎美紀子
 ◆紙面へのご意見、ご要望は「t-hatsu@tokyo-np.co.jp」へ。

関連キーワード

PR情報

TOKYO発の新着

記事一覧