<新型コロナ>川口のマンモス団地 接種予約を自治会が代行 利用者「本当にありがたい」

2021年6月3日 07時40分

接種予約を希望する住民に対応する真下さん(右)や荒木さん(中)=川口市の芝園団地で

 新型コロナウイルスワクチンの接種予約に四苦八苦する高齢者を取り残さないよう、川口市内の自治会が予約の代行を独自に始めた。自治体が同様のサービスを提供する動きもあるが、より身近な場所でのサポートに、「ワクチンを打ちたくても打てない」と諦めかけていた利用者からは好評だ。 (近藤統義)
 取り組むのは芝園団地自治会。JR蕨駅に近い芝園団地は約二千五百世帯、五千人が暮らすマンモス団地で、住民の高齢化が進む。一九九〇年代から外国人が続々と入居し、今や半数に上ることでも知られる。
 きっかけは五月半ば。自治会員で民生委員の荒木紀理子(のりこ)さん(66)が、予約に困った一人暮らしの高齢男性がいると市役所から伝えられたことだ。男性は耳が遠く、電話が苦手。それでも個別接種先の複数の医療機関に連絡したが、混雑で予約が取れなかったという。
 それを見かねた荒木さん。「放っておけない」と、男性の集団接種のインターネット予約を代行した。「きっと同じように苦労している人がいるはず」。そう思い、住民向けの予約代行を自治会に提案すると、真下(ましも)徹也会長(83)ら役員たちもすぐに協力を約束してくれた。
 実施するのは月、水、金曜の午後一〜四時。荒木さんら民生委員が自治会事務所で対応し、住民から希望の会場や日時を聞き取った上で集団接種のネット予約を代行する。五月二十四日にスタートし、毎回二十〜三十人が訪れている。
 利用した女性(65)は「息子に頼んだが、予約が取れなかった。一人ではできないので助かった」。夫と二人暮らしの七十代女性も「電話はつながらず、ネットで予約してと言われても私たちの年代では分からない。本当にありがたい」と安心した表情を見せた。
 自治会はエレベーターホールにポスターを張り出して周知し、チラシも各世帯に配布。事務所にはWi−Fi(無線LAN)も準備した。「コロナで自治会の行事も中止になった。少しでも住民が喜んでくれれば」と真下さん。接種会場までのタクシー代の補助など、さらなる支援ができたらと考えている。
 県内の多くの自治体も五月から専用の相談窓口を開設し、職員を派遣するなどして予約を手助けしている。川口市も「市民からの要望や他自治体の先行事例を踏まえた」として、今月から各公民館で予約代行の対応を始めている。

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