東京都議選 小池知事はどう動く…「都民ファ」支援に慎重な理由とは

2021年6月4日 11時47分
東京都議選で圧勝し、笑顔を見せる都民ファーストの会の小池代表(当時)、2017年7月撮影

東京都議選で圧勝し、笑顔を見せる都民ファーストの会の小池代表(当時)、2017年7月撮影

 6月25日に告示される東京都議選(定数127)は、小池百合子知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」が審判を受ける機会となる。都民ファは前回、小池氏が先頭に立って都議会自民党を退け、大躍進。ただ今回は新型コロナウイルスの感染拡大で都政のかじ取りが厳しさを増す中、小池氏と自民の対立は軟化。前回は都民ファと組んだ公明が、自民との選挙協力を復活するなど構図も一変している。小池知事が最終的にどのような動きを見せるかが、都議選の勝敗や選挙後の都政運営に大きな影響を与えそうだ。(小倉貞俊、松尾博史、岡本太=6月4日公開)

◆「もっとアピールを」

 「今回も知事は都民ファを支援するのか、別の対応をとるのか」。告示までまもなく1カ月を迎えようとしていた5月21日。定例記者会見で、質問を受けた小池氏は「都議選というより今はコロナ対策に集中している。あらためて質問いただいてあと1カ月なのかと思うところだ」と強調し、続けた。
 「都民ファの皆さんは、受動喫煙防止対策とかITとか5Gとか、専門家が結構、議員としておられるのは、東京や都政をブラッシュアップするという意味でも、また、色々な提案をいただくことでも、大変大きな役割を果たしている。まず都民を第一に考えて行動される改革派にはエールを送っていきたい」
 都民ファに一定の評価を示しつつ、具体的に支援するかどうかは言及せず、慎重な姿勢を印象づけた。
 都民ファは小池氏が生みの親。2017年の都議選で都議会自民党を「古い議会」などと徹底的に批判し、公認50人中49人が当選、推薦の無所属を含めて55人の勢力を築く旋風を起こした。逆に自民は57の議席数が23にまで落ち込む惨敗を喫した。
 都民ファは1期生が7割を占め、地盤が弱い都議が少なくない。所属議員の中には「われわれは小池氏次第。もっとアピールしてほしいが…」と不安の声も漏れる。

◆「対立は望んでいない」

 背景には、小池氏に恨み骨髄だった都議会自民党の姿勢の変化もある。
 昨年7月、小池氏が再選した都知事選で、自民は対抗馬擁立を断念した。史上2番目の366万票を得た小池氏に、自民側は徐々に軌道を修正。「パフォーマンスありきで信用できない」などの激しい批判はすっかり影を潜めた。
 都議会自民幹部は「対立の構造はもう望んでいない。都民のためだ」とまで語る。小池氏と党本部の二階俊博幹事長の緊密さは知られるが、菅義偉首相との折り合いの悪さも有名だ。都議会自民として、コロナ対策でも政府とのパイプ役を買って出ようとするメッセージを送る。
 小池氏もかつてのように「しがらみだらけだ」といった激しい自民批判はみられない。庁内には自民との接近を感じる向きが出ている。自民都連関係者は小池氏の姿勢に「うまく都政を回して、国政に戻るタイミングを計るのではないか」と受け止める。

◆「根底には相互不信」

 ただ「根底には相互不信がある」と都幹部がみるように、今後の距離感がどうなるかは不透明だ。
 今回の都議選は、10月に任期満了となる衆院の総選挙に向けた前哨戦と位置づけられ、自民が選挙協力で合意している公明と合わせて過半数を獲得できるかが焦点の1つとなる。
 菅義偉首相はコロナ対策への批判で支持率が低迷。政府のコロナ対応に世論の批判がさらに募れば、自民は強い逆風下で戦うことになる。特に感染拡大について都民の不安が高い中で、菅首相、小池氏ともに7月24日に開幕が迫った東京五輪の開催をそのまま進めていくのかも都議選に大きな影響を与える。
 23区の区長の1人は「小池氏は主導権をとり続けるためにも自民の大勝は望んでいない。自民の状況次第では対決に持ち込むのでは」とみる。
 都幹部の1人は小池氏の都議選でのスタンスについて「どう動けば選挙後の議会運営がやりやすくなるか。ぎりぎりまで情勢を見定めていくだろう」と語る。

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