静岡県知事選告示 コロナやリニア争点 子育て環境、充実望む声も

2021年6月4日 07時15分
 知事選が3日に告示され、現職の川勝平太さん(72)と新人で前参院議員の岩井茂樹さん(53)=自民推薦=の2人が立候補した。新型コロナウイルス対策やリニア中央新幹線の着工判断が主な争点とされるが、県内の有権者からは、人口減少対策や子育て環境の充実などを望む声も聞かれた。
 昨年度の宿泊客数がコロナ禍以前の半数以下に落ち込み、経済損失が推計で五百二十七億円に上った観光地の熱海市。JR熱海駅前の商店街で干物店と飲食店を営む小林雄人さん(52)は「我慢の時が続いている」と窮状を嘆く。
 物販は低迷。飲食も週末に多少の客が入るぐらいで、「例年並み」には程遠い状況という。「これまで県から飲食業界への支援があまりなかった」と指摘し、施策の充実を求める。一方でワクチン接種が始まり、「光が見えてきた」とも感じ、「大規模接種などで早く進めてほしい」と望む。
 静岡市駿河区の宇津ノ谷地区で地域おこしに励む近藤武さん(70)は「コロナの影響で活動ができなくなり、この地域には『滅びゆくのではないか』という恐怖感がある」と漏らす。「人口減少の現場を見て知った上で、政策を考えてくれる人がいい。県民の痛みを分かってくれる人が知事になってほしい」と求めた。
 四歳の娘を持つ同市清水区の主婦石川映里(えり)さん(39)は、リニア問題ばかりが取り上げられることが気がかり。「住宅地にある公園は老朽化で遊具が減っている。大きな施設もいいが、わざわざどこかに出向かなくても子どもが楽しめる場所の確保に目を向けてほしい」と話した。
 幼稚園教諭や保育士を目指す、浜松学院大四年の国持(くにもち)里帆さん(21)は「将来は結婚や出産をしたい。少子高齢化が進む中、子育てと仕事の両立に苦労するのが、当たり前ではなくなってほしい」と望む。「静岡に住む人が安心して暮らせる政策を行ってくれそうな人に投票したい」

◆候補者の第一声(届け出順)

◇川勝平太(かわかつ・へいた)さん 72 無現<3>
誰一人取り残さない

 新型コロナウイルスは命の問題。命の問題は水の問題で、大井川だけが命の水ではない。伊豆半島で市民がメガソーラー建設反対に立ち上がり、下田、函南町でも反対。森を破壊すると、川が汚れて漁場がやられる。サクラエビの漁獲量も富士川の汚れで減った。南アルプスは六十二万人の命を育む水道の水源。希少な水がなくなるのは許せない。
 (対立候補の)前国交副大臣が(リニア中央新幹線の)ルート変更や工事中止を発言した。副大臣に任命し、(知事選で)推薦したのは自民党の総裁。対立候補の発言に対して責任を取る立場にあることを自覚してほしい。
 コロナのワクチン接種のために、私が先頭に立って市町を助ける。接種が遅いのは十万人あたりの医療従事者が少ないからだが、そうした中でこの十年間、(学生への)奨学金で五百七十人以上の医者を増やした。医薬品、医療器具の生産額は十年、日本一だ。
 東京一極集中から流れが変わった。人は自然への回帰を求めている。誰一人取り残さない、命を大切にする地球社会のモデルになれる。(県民)三百六十万人が一緒になり初めて理想郷となる。一緒に頑張ろう。

◇岩井茂樹(いわい・しげき)さん 53 無新 自
県の産業守っていく

 静岡を国政の立場から見てきた。ものづくり静岡の工業製品は出荷額がマイナス。農業も生産額が横ばい。お茶も鹿児島に抜かれた。医療も十万人あたりの医師数がなぜ、ここまで低いのか。これまで蓄積してきた閉塞(へいそく)感の結果ではないか。風穴を開けて、本当の静岡の未来を、新しい風をいま入れないと、間に合わなくなる。その思いで、全力を尽くしたい。
 (新型コロナウイルスの)ワクチンを最優先でやりたい。県が中心となって、国と市町と連携していくことが重要。医療従事者の現場の声をしっかりと聞きながら、対策を進めたい。
 なんといっても、稼ぐ力だ。静岡は自動車産業が命。産業構造が変わっていく中、中小企業を支えるためにも国と連携して県の産業を守っていく。体力には自信がある。トップセールスで、農水産業の産品を世界や日本に広げていきたい。
 政治は、子どもたちのためにある。子どもができて思いが強くなった。男性と女性が子育てを分かち合い、女性が仕事ができる環境は、県の力を向上させる大きなポイント。やりたい仕事がたくさんある県にすれば、学生は戻ってくるし、女性も輝ける。

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