【動画あり】「入管の仮放免者にも医療を」コロナで窮地に…がんでも手術受けられず

2021年6月4日 22時48分
 出入国在留管理庁から仮放免された元収容者の医療支援が、コロナ禍で窮地に追い込まれている。特定NPO法人「北関東医療相談会」は4日、厚生労働省で記者会見し、南アジア出身の女性(46)が進行性の卵巣がんになっても、資金難で手術を受けられずにいるとして支援を求めた。
 女性は2007年来日。12年に日本人と再婚し、ホテルの清掃や介護などで生計を立てていたが、15年に在留資格がなくなり入管に2カ月収容された。その後、仮放免となり在留特別許可を申請中だが、昨年10月に腹痛を訴え救急搬送、進行性の卵巣がんと診断された。摘出手術と抗がん剤治療で最低でも500万円以上が必要という。
 仮放免中の外国人の多くは、就労資格を得られず国の健康保険の対象外。以前は医療費の自己負担を免除軽減する国の無料低額診療制度を利用してきた。
 しかし、コロナ禍で日本人の生活困窮者らの利用が急増。病院がコロナ禍で赤字となったこともあり、医療費軽減や無料化の病院負担分を病院側がカバーできなくなっている。
 女性は十数カ所の病院から確定診断を断られ、体調が悪く動きづらい状況だが、入管庁は在留特別申請の審査のため長時間の出頭を求めているという。北関東医療相談会の長沢正隆事務局長は「女性は緊急手術が必要で状況は切迫している。『仮放免者に保険証を出して』と政府に訴えているが、反応は全くない」と訴えた。
 同会は1997年から外国人への医療相談や無料健康診断会を実施し、仮放免者への支援を求めている。受け付けは、ゆうちょ銀行当座預金「アミーゴ・北関東医療相談会」00150ー9ー374623。通信欄には「仮放免者への寄付」と記載する。(望月衣塑子)

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