直径14m世界最大級のオオスリバチサンゴ 環境省が保全へ 長崎・五島列島

2021年6月5日 06時00分

環境省が保全に乗り出す、世界最大級のオオスリバチサンゴ=長崎県・五島列島の多々良島沖で(OWS理事・自然写真家の高砂淳二さん撮影)

 長崎県・五島列島で確認された、直径約14メートルの世界最大級のオオスリバチサンゴについて、小泉進次郎環境相は4日の閣議後会見で、サンゴが成育する西海国立公園内で保護策を強化するため「海域公園地区指定を考えたい」との意向を示した。国立公園内で海域公園地区に指定されると、漁業対象以外の動植物の採取や、漁船以外の動力船の立ち入りの規制が可能になる。国立環境研究所の試料分析の結果、サンゴは500年以上前から生息していることも分かった。

 オオスリバチサンゴ イシサンゴ目キサンゴ科の造礁サンゴ。色は緑色や茶褐色で、樹枝状に枝分かれしながらすり鉢状や皿状の群体に成長する。太平洋やインド洋の温帯から熱帯海域に広く分布し、日本では太平洋側で静岡県・沼津、日本海側では対馬海域が北限とされる。

 小泉環境相は「海域公園地区の指定に向け、地元の関係者と、いかに保全と利用を進めていくか検討したい」と説明した。学識者から天然記念物指定の必要性が指摘されていることには「(所管は)文部科学省だが、考えられることなのではないか」とした。
 オオスリバチサンゴが確認されたのは、五島列島中央海域にある多々良島沖合の水深約16メートル。最も長い部分で14・3メートルの楕円形状で高さ5・3メートル。
 
 国環研の山野博哉生物多様性領域長(51)に環境NPO法人「OWS」(東京)が協力し3月に調査。山野氏は「船のいかりで傷つけられた部分もある。この海域を過剰に利用したり、汚したりしないよう保全が必要だ」と指摘した。
 調査後、サンゴの深さ4メートルから採取した骨格から放射性炭素年代を分析し、成立年代は502年前の1519年(室町時代)との結果が出た。採取地点から中心部までさらに約1メートルあり、600年近く生息しているとみられる。(蒲敏哉)

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