ワクチン接種特典、ビールに宝くじに銃も スピード鈍化のアメリカがあの手この手

2021年6月6日 20時40分

4日、米カリフォルニア州サクラメントで、ワクチン接種者に向けた宝くじの抽選をするニューサム知事(左)ら=Paul Kitagaki Jr./The Sacramento Bee提供、AP

 【ワシントン=金杉貴雄】新型コロナウイルスのワクチン接種が進む一方、拡大のスピードが鈍化してきた米国では、接種をさらに広げるための特典提供が打ち出されている。ビールや野球のチケット、宝くじ、銃が当たるとの州まで。バイデン大統領も独立記念日の7月4日までに成人の70%が少なくとも1回接種する目標に向け、こうした取り組みを後押ししている。

◆「ウイルスからの独立祝う無料のビールだ」

 「そう、ワクチンを打って、ビールを飲もう。『ウイルスからの独立』を祝う無料のビールだ」。バイデン氏はワクチン接種を拡大するさまざまな施策の発表で、そう呼び掛けた。
 バイデン氏は、全成人の70%が7月4日までに1回接種する目標を掲げ、これまでの接種率は63%に達している。だがペースは鈍化し、4月半ばに7日間平均で1日当たり300万回に上っていた全米の接種数は、100万回と3分の1以下となっている。
 このため、米政府は民間企業や団体と協力。「バドワイザー」で有名なビール大手アンハイザー・ブッシュは2日、70%の目標が達成された段階で、21歳以上の成人に無料ビールを提供すると発表した。
 スーパー大手も毎週1億円と食料1年分を数10人に提供すると明らかにした。ほかにも大リーグや米プロフットボール(NFL)王者を決めるスーパーボウルのチケット、大手航空会社の無料航空券などが当たる特典も打ち出された。

◆感染者数減少でも変異株の脅威

 バイデン氏は感染者数は減少しているが変異株の脅威が迫っていると強調。「ワクチンは無料で、安全で、効果的だ。党派的な行為ではない」と呼び掛けた。
 各州も接種拡大に力を注ぐ。宝くじを導入する州が相次ぎ、中西部オハイオ州は先月末、最初の1億円当選者と州立大の奨学金を受け取ることになった人を発表。ワクチン接種者は約5割増となったという。
 南部ウェストバージニア州は1日、8月までの期間中に狩猟用のライフルや散弾銃、無期限の狩猟権、特注装備のトラックの提供を発表。毎週1人に対し1億円、4年分の奨学金支給も取り入れた。同州はワクチン接種に否定的な共和党支持者が多く、保守層を引きつけるためとみられる。

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