2代目「フジモリ」か、急進改革派か ペルー大統領選決選投票

2021年6月6日 21時49分
 【ニューヨーク=杉藤貴浩】南米ペルーの大統領選決選投票が6日午前(日本時間同日夜)始まった。1回目投票で1位の急進左派カスティジョ氏(51)と2位でフジモリ元大統領の長女ケイコ氏(46)が接戦となる見込み。新大統領には世界最悪レベルの新型コロナウイルス危機からの脱却という難問が待ち受ける。

ペルー南部アレキパで5月30日、大統領選討論会後に手を振るケイコ・フジモリ氏(左)とカスティジョ氏(左から2人目)=AP

 4月の1回目投票直後には、各種調査でカスティジョ氏の支持率がケイコ氏を10ポイント以上引き離していたが同氏が猛追。ロイター通信は5日、ケイコ氏が0・7ポイント上回ったとする世論調査結果を報じた。
 ケイコ氏は当選すれば日系人親子2代、女性として同国初の大統領となる。中道右派政党を率い、市場経済を重視。過去2回の大統領選では決選投票で惜敗し「3度目の正直」を狙う。しかし人権侵害など父の強権的な政治手法を嫌う国民も多く、自身も3月に資金洗浄疑惑で訴追されるなど懸念材料がある。
 選挙戦では、カスティジョ氏が当選すれば共産主義が近づくと危機感をあおった。5日には会員制交流サイト(SNS)で「1人ではゴールにたどり着けない。チャンスをください」と最後の支持を呼び掛けた。
 一方、カスティジョ氏は同国北部で、教師や組合活動のキャリアを積んだ。高い知名度のケイコ氏とは対照的に、1回目投票まではほぼ無名。しかし「鉱業への国の管理を強め、富を再分配する」といった主張が貧困層を中心に浸透。つばの広い帽子で馬に乗って選挙戦に登場する姿も人気を博している。
 「世界一貧しい大統領」として知られるウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領の支持も受ける。ただ、躍進の結果、急激な改革を嫌う中道から右派、富裕層をケイコ氏支持に回し、終盤で支持率が伸び悩んだ。
 ペルーは新型コロナの死亡率が世界で最も高い。コロナ対策は最大の争点の1つで、ケイコ氏は犠牲者家族への現金支給、カスティジョ氏は医療制度改革や集中治療室(ICU)の拡充などを訴えている。

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