菅首相 東京五輪「国民の命守る。前提崩れれば行わない」…具体的基準は示さず

2021年6月7日 19時41分

参院決算委で答弁する菅首相

 菅義偉首相は7日の参院決算委員会で、新型コロナウイルス禍の東京五輪・パラリンピックに関して「世界から選手が安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていくのが開催の前提条件だ。これが崩れれば、行わないということだ」と語った。どのような条件なら開催可能かを判断するための具体的な基準は示さなかった。立憲民主党の福山哲郎幹事長らの質問に答えた。
 大会開催を巡り、首相は来日する関係者の人数絞り込みや選手らへのワクチン接種、行動管理による国民との接触防止などの対策を講じると説明。世論調査で中止や延期を求める声が多いことを踏まえ「指摘を受け止めて取り組みを進めたい。まずは(東京都などの)緊急事態宣言解除に全力を挙げる」と主張した。
 福山氏は「安心安全の大会を開催するためには、開催を可能とする医療体制、感染者数といった指標や判断基準を示す必要がある」と追及したが、首相は基準を示さなかった。大会の中止の判断についても「私自身は主催者ではない」とし、開催の前提となる考え方を国際オリンピック委員会(IOC)にも伝えるとの姿勢を示すにとどめた。
 共産党の小池晃書記局長は、開催に伴う感染拡大や医療逼迫のリスクに関する評価を政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)に諮問するよう要求した。首相は「分科会は感染拡大の対応をするところだ」として拒否。小池氏は「諮問しないのは、政府に都合が悪い意見が出るからだ」と批判した。
 政府参考人として出席した尾身氏は、現下の感染状況で開催することに対し「リスクが高くなるのはどう考えても普通」と指摘。専門家の立場から「どういうリスクがあり、どう低減できるかという選択肢も含めて示すのが、われわれの責務だ」と語った。(山口哲人、木谷孝洋)

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