「調布は陥没でもリニアは安全」 JR東海説明会、納得できない住民も

2021年6月8日 23時12分
 JR東海は8日、東京都内や川崎市、名古屋市などで深さ40メートル超の大深度地下を掘り進めるリニア中央新幹線のシールドトンネル工事を巡り、住民説明会を品川区で開いた。大深度地下を掘削していた東京都調布市の東京外郭環状道路(外環道)のトンネル上で相次いだ陥没や空洞の問題を受けた対応で同社は理解を得られたとしたが、参加者からは「外環道と違ってリニア工事は安全、と強調しただけ。安心できなかった」との声も漏れた。(梅野光春)

リニア中央新幹線の北品川非常口の工事が進む現場=8日、東京都品川区で、本社ヘリ「あさづる」から

◆「特殊な地盤ない」「施工管理を強化」と説明

 説明会は、トンネルが通過する品川区と大田区、世田谷区の住民が対象で約300人が参加。「参加者に安心して質問してもらう」とのJR東海の方針で、報道陣に非公開で行われた。
 JR東海や参加者によると、同社リニア担当者が外環道の陥没・空洞の原因について「特殊な地盤と、シールドマシンの土砂の取り込みすぎを見逃す施工ミスが重なった」などと説明。これまでのボーリング調査で、リニアのルートに同様の地盤はない上、マシンに土砂の性質を探知する最新機器を搭載、取り込む土砂の質と量を把握するなど施工管理を強化するとした。

◆「安心できない」の声あるも「追加調査必要ない」

 「従来の調査では安心できない。追加でボーリングすべきではないか」との問いにJR側は「地質は把握できているので追加調査は必要ない」と返答。ただ、掘削後に少なくとも半年間は地表面の変化を監視し、家屋などに影響が出れば補償する方針を示した。
 外環道工事では、振動が民家に伝わって夜間工事を止めたことでマシンに土砂が詰まり、土砂の取り込みすぎの一因になった。JR側は「マシンを止めないのが安全な工法。夜も進めたい」と夜間工事も実施するとし、振動や騒音には個別に対応すると説明した。
 参加した大田区の岩井孝さん(70)は「施工管理の強化には人員増が必要と思って質問したが、具体的な回答はなかった。しっかりやります、と言うだけで説得力に欠けていたと思う」と振り返った。「夜間工事はやめてほしい」と話す男性参加者もいた。

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