初代国技館の名勝負、回顧 墨田区の資料館で企画展 相撲、ボクシングなど格闘技の殿堂

2021年6月9日 07時14分

展示会場で、国技館のあゆみについて解説する石橋星志学芸員=墨田区で

 墨田区の両国国技館(横網一)は、今夏に予定される東京五輪のボクシング会場となる。これに合わせ、国技館の歴史や、培われたスポーツ文化を紹介する企画展「すみだのスポーツの殿堂−国技館のあゆみ−」がすみだ郷土文化資料館(向島二)で開かれている。展示替え期間を含め、九月五日まで。 (長竹祐子)
 企画展で主に焦点を当てるのは、現在の国技館の南側、JR両国駅を挟んで反対側にあった初代の旧国技館。数々の写真やボクシング用品などの資料を並べ、近代的な多目的ホールの先駆けで、格闘技の殿堂でもあった場の変遷を追っていく。
 展示によると、初代国技館は、江戸時代から相撲の興行場所だった寺院「回向(えこう)院」(両国二)の境内に、相撲常設館として一九〇九年に完成。東京駅を設計した建築家、辰野金吾らが設計した。失火、関東大震災、東京大空襲で三度全焼したが、その度に修復される。戦前は、数々の相撲の名勝負が土俵で繰り広げられ、横綱双葉山の六十九連勝の舞台でもあった。
 戦後、相撲の本場所は隅田川の対岸、台東区に建てられた蔵前国技館(蔵前二)に移る。旧国技館は米軍に接収され、五八年から日本大学講堂に。スポーツやイベントで利用された。
 七〇年代には、ボクシングの世界タイトルマッチを数多く開催。今回、会場には、ガッツ石松、輪島功一、大場政夫ら、国技館を舞台に栄光や挫折のドラマを繰り広げた往年の名選手のグローブやトロフィーなどを展示した。
 旧国技館は老朽化のため八三年に解体される。一方で、現在の国技館が八五年に落成し、大相撲は蔵前から両国に戻ってきた。石橋星志学芸員は「国技館は震災や空襲を経て、人間ドラマやスポーツの歴史が詰まっている」と話している。
 入館料百円、中学生以下無料。月曜、第四火曜休館(祝日にあたるときは翌平日休館)。展示は二十七日までの第一期、七月八日〜九月五日の第二期に分け、一部展示替えを行う。
 問い合わせは、すみだ郷土文化資料館=電03(5619)7034=へ。

大正時代、関東大震災前の旧国技館周辺 =すみだ郷土文化資料館提供


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