目指せ! NBAチア コロナ禍だからこそ…都内女性の挑戦 夢舞台を知る師匠と二人三脚

2021年6月10日 07時14分

港区のスタジオで練習に取り組む宮野さん

 「コロナ禍だからこそ、チアリーダーの力で多くの人を笑顔にしたい」。そんな思いを胸に、米プロバスケットボールNBAのチアリーダーを目指す都内の女性と、それを支える指導者がいる。二人三脚で同じ夢に向かって走り続ける二人を追った。
 今月五日、都内のスポーツジムのスタジオに、プロのチアリーダーチーム「東京ガールズ」に所属する会社員宮野茉莉(まり)さん(24)=世田谷区=の姿があった。「ワン、ツー、スリー、フォー」。掛け声でがらりと表情は変わり、ばねのように全身を踊らせる。その横でチーム代表の柳下(やぎした)容子さん(44)=渋谷区=が声を飛ばした。「体をもっとしならせて止めて」「手首で動きを逃がして」
 東京ガールズのメンバーは宮野さんら二十代の女性十一人。バスケットボールの試合や企業のイベントなどで会場に花を添えるが、コロナ禍で出番は激減。それでも週二回、二〜三時間の練習で汗を流している。

米NBAチアガールのオーディションに挑戦する宮野茉莉さん

 チアリーダー発祥の米国には、NBAのほか、プロフットボールNFL、北米プロアイスホッケーNHLなどそれぞれに専属のチアリーダーがある。中でも宮野さんが目指すのは日本でも人気のNBAロサンゼルス・レーカーズの「レーカーガールズ」だ。
 毎年夏に来季メンバーのオーディションがあり、合格すれば一年間、ホームゲームで演技を披露する。オーディションの挑戦者は三百〜五百人。段階的な審査を経て、最後に二十二人が選ばれる狭き門だ。「初挑戦だけれど、夢を実現させたい」と宮野さんは力を込めた。
 四歳からクラシックバレエを習っていた。転機となったのは中学三年の夏に偶然、目にしたレーカーガールズの動画だった。「華やかさのとりこになった」。中高一貫の高校に進学する予定を変更し、チアダンス部のある玉川学園高等部、玉川大(いずれも町田市)へ進み、腕を磨いた。大学時代には全米大会で優勝したことも。一昨年、初めてレーカーズの試合を観戦し、「この舞台に立ちたい」との思いを強くした。その入り口として「東京ガールズ」の門をたたいた。

宮野さん(左)を指導する柳下さん

 宮野さんを支える柳下さんも、レーカーガールズには特別な思い入れがある。「世界を股に掛けるエンターテイナーになりたい」と東京ディズニーランド(TDL)のキャストからダンサーに転身。〇三年にNFLロサンゼルス・チャージャーズ、〇五年にNBAロサンゼルス・クリッパーズのチアリーダーになった。当時、日本人初のNFLとNBA双方のチアリーダー経験者だった。だが、憧れのレーカーガールズのメンバーにはなれなかった。
 その後、Jリーグ・アルビレックス新潟とプロバスケットボールのBリーグ・新潟アルビレックスのチアリーダーの初代メンバーを経て、東京ガールズを立ち上げた。
 「茉莉、行け」。面接の場で二人の夢はつながった。ただ、レーカーガールズのオーディションの日程は未定。渡米には新型コロナの陰性証明や現地での自主隔離などが必要で、感染が拡大すれば渡航できなくなる恐れもある。それでも二人は口をそろえる。「こんな時代だからこそ笑顔を届けたい」「私たちの挑戦を知って元気になってくれる人がいたらうれしい」
文・服部展和/写真・松崎浩一、池田まみ
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宮野さん(左)と東京ガールズ代表の柳下容子さん=渋谷区で

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