バイデン大統領、トランプ氏の「TikTok禁止令」を撤回 リスクの再検証と対策を指示

2021年6月10日 23時11分
 【ワシントン=吉田通夫】バイデン米大統領は9日、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」など中国系アプリを米国で利用することを禁じたトランプ前大統領の命令を撤回した。一方で、依然として中国を含む海外企業が開発したアプリにより米国の情報が収集される恐れがあるとして、政府にリスクの再検証と対策を命じる新たな大統領令に署名した。
 バイデン氏は大統領令で、中国など「敵対国」の企業が開発したアプリの利用増が「米国の安全保障、外交政策、経済を引き続き脅かしている」と懸念を表明。データ流出などの危険性について「厳格な証拠に基づく分析」により検証し、情報保護策を120日以内に報告するよう商務省に命じた。
 中国系アプリを巡っては昨年、当時のトランプ大統領が安全保障上の脅威を理由にティックトックや通信アプリ「微信(ウィーチャット)」など計10個の中国系アプリの利用禁止を命じた。しかし法的根拠が弱く、一部アプリの運営会社が提訴して連邦地裁が命令を一時差し止め。禁止には至らなかった。ティックトックを運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)は米国事業を米ソフトウエア大手オラクルなどに売却する交渉も進めたが、バイデン政権への交代もあって棚上げ状態になっていた。
 今回の大統領令では、商務省に「追加の行政措置および立法措置を提言する報告書」の提出も要求。中国系アプリの危険性についてより明確な根拠を示したうえで、新たな制裁措置につなげる狙いがあるとみられる。バイデン氏は利用禁止命令を撤回したとはいえ、中国に対する姿勢はトランプ政権時よりも厳しさを増している。

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