コロナ感染の自宅死、全国で119人 医療逼迫の実態浮き彫り ワースト大阪28人、東京は2位22人 首都圏は第3波に集中

2021年6月11日 06時00分
 全国の警察が今年1月以降に変死などとして取り扱い、新型コロナウイルス感染が確認された死者のうち、自宅で発見されたのが16都道府県で119人に上ることが分かった。東京など首都圏では昨年末からの感染拡大の「第3波」の時期に集中していた。病床が逼迫した地域では、感染者が適切な医療を受けられずに亡くなっていた実態が浮き彫りになった。(木谷孝洋)

◆最多は大阪の28人

 119人のうち、最多は大阪の28人。首都圏では東京22人、神奈川11人、埼玉7人、千葉6人、栃木3人、茨城1人だった。31県では確認されなかった。警察庁が5月21日時点の状況を全国の都道府県警から集計し、情報提供を求めた都内の40代男性に開示した。
 東京と神奈川では1月にそれぞれ14人、10人の自宅死が確認されるなど、感染拡大の「第3波」の時期に集中。東京では1月中旬にコロナ対応病床の使用率が85%にまで上昇して医療が逼迫。都によると、自宅や高齢者施設などで入院が必要と判断された人が、受け入れ先を調整中に亡くなる事例もこれまでに9件あった。一方、大阪や兵庫では3月以降の「第4波」に自宅死が相次いでいる。

◆新規感染者の増減と比例

 全国の月別では1月が49人、2月が6人、3月が6人、4月が34人、5月は24人(21日時点)。新規感染者の増減と比例する傾向にあった。
 死因がはっきりせず犯罪に巻き込まれた疑いがある場合、警察は検視や身元調査を行う。119人には生前にPCR検査を受け、死亡後に陽性が確認された人も含まれる。

◆「自治体に負担」厚労省は調査せず

 警察庁の調査で、感染者が適切な医療を受けられずに死亡する実態が判明した一方、厚生労働省はこうした自宅死の人数を1月下旬以降、調査していない。
 厚労省は病院以外での死亡例が目立ち始めた1月下旬、自宅や療養先のホテルで死亡した人数を都道府県に照会したところ、昨年12月1日から今年1月25日までに全国で29人に上った。その後も入院できずに死亡する感染者が相次ぐが、厚労省は「自治体への負担」を理由に調査を1回限りとしている。
 田村憲久厚労相は5月20日の参院厚労委で「自治体に網羅的に状況を集約してくださいというのは感染者への対応の手を割くことになる。(感染が)収まれば聞きたいが、今はお願いしづらい」と述べた。

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