「中国包囲網」米欧の足並みそろうか G7首脳会議開幕へ 東京五輪開催への支持表明も焦点

2021年6月10日 18時39分
ジョンソン英首相=AP

ジョンソン英首相=AP

 【ロンドン=藤沢有哉】先進7カ国首脳会議(G7サミット)が11~13日、英南西部コーンウォールで開かれる。覇権主義を強める中国に対して、民主主義という価値観を共有する各国の結束を示せるかが焦点。トランプ前米大統領の自国第一主義で亀裂が入った米欧関係を修復し、新型コロナウイルスや気候変動対策などで有効策を打ち出せるかも注目される。
 昨年はコロナ禍の影響でテレビ会議方式に留まり、対面開催は2年ぶり。バイデン米大統領、菅義偉首相らは初参加となる。
 一昨年は、トランプ氏と欧州首脳が気候変動分野などで対立。1975年の第一回以降で初めて、包括的な首脳宣言の採択を断念した。今年を「多国間主義への転換点」と位置付けるG7は、世界的課題への対応で結束を目指す。
 地域情勢を巡る討議は中国問題が中心。東シナ海・南シナ海への進出や台湾海峡での軍事的威圧に加え、新疆ウイグル自治区での人権弾圧などを協議する。中国の巨大経済圏構想「一帯一路」への対抗策も検討し、途上国の中国依存を防ぐためインフラ整備などの支援策を協議。また民主派を弾圧するロシアなどを巡る問題も討議する。
 議長国・英国のジョンソン首相は「民主主義の先進国間の協力関係を強化する」として、今回は韓国やインドなど4カ国を招待。G7と合わせた民主主義11国(D11)で「中国包囲網」を強めたい考えだが、中国との経済関係への配慮などから足並みがそろうかは不透明だ。
 G7の結束は新型コロナ対策でも問われる。サミットでは、全世界で来年末までのワクチン接種完了を目指すことが提案され、特許の一時放棄や途上国への寄付といった公平な分配策を協議する。中国、ロシアがワクチン外交を進める中、G7がどの程度の支援を打ち出すかが注目点。感染症のパンデミック(世界的流行)に備えるため、新たな国際条約の枠組みづくりでも合意する見通し。
 気候変動対策では、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標達成に向けた取り組みを協議。英メディアによると、途上国の再生可能エネルギー転換への資金援助も議題になるとみられる。
 一方、閉幕時の首脳宣言で、来月開幕の東京五輪・パラリンピックへの支持が示されるかも焦点の一つだ。コロナ禍で開催への懐疑的な見方が広がる中、日本政府はG7各国から後押しを得たい考えだ。

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