セクハラ・マタハラ対策は新設も…女性候補者数の目標義務化は盛り込まず 政治の改正男女共同参画法が成立

2021年6月10日 20時16分
 国会や地方議会の女性議員を増やすことを目指す「政治分野における男女共同参画推進法」の改正法が10日、衆院本会議で全会一致で可決、成立した。政党や国、地方自治体にセクハラやマタニティーハラスメント(マタハラ)の防止策を求める内容を新設した一方、女性候補者数の目標設定の義務化は盛り込まれなかった。秋までに行われる衆院選にも適用される。(柚木まり)
 改正法で盛り込まれたセクハラ・マタハラ対策は、女性の立候補が妨げられないようにするために設けられた。国や地方自治体は、セクハラやマタハラの防止を図り、問題発生を防ぐ研修を実施して相談体制を整備するよう規定。議会を欠席する要件として妊娠や出産、育児、介護を例示し、議会活動との両立を支援する体制整備も求めた。
 政党に対しては、男女の候補者数の目標設定や候補の選定方法の改善、候補者の人材育成などに取り組むよう求めた。ただ、いずれも努力目標にとどまり、罰則は設けられなかった。
 女性候補者数の目標設定の義務化を目指す超党派議員連盟の会長で、立憲民主党の中川正春元文部科学相は成立後に「一歩ずつ、みんなが賛成する内容にしなければ動かない。今後も議論を重ねていく」と、さらなる改正に意欲を示した。
 推進法は2018年に議員立法で制定。政党に候補者数を男女均等にするよう促してきたが、法的拘束力がないため、有識者から実効性に欠けると批判されていた。19年の参院選は、全候補者の女性比率が28・1%で過去最高となり、推進法は一定の成果を上げたが、今秋までに行われる衆院選に向けては、自民党などで女性候補擁立は進んでいない。
 超党派議連は昨年7月以降、候補者の一定比率を女性にする「クオータ制」の導入や、女性候補の擁立状況に応じた政党助成金の配分などを議論。各党に男女の候補者数の目標設定を義務付けることを目指したが「クオータ制を想起させる法改正は難しい」などとして、自民党や日本維新の会が強く反対し、断念した。
 改正法は衆院に先立ち9日、参院本会議で全会一致で可決していた。

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