米国、ワクチン5億回分を発展途上国などに供与へ バイデン大統領がG7開幕を前にアピール

2021年6月10日 21時00分
9日、英南東部ミルデンホール空軍基地で演説するバイデン米大統領=ロイター・共同

9日、英南東部ミルデンホール空軍基地で演説するバイデン米大統領=ロイター・共同

 【ワシントン=金杉貴雄】バイデン米大統領は9日、就任後約5カ月で初となる外国訪問に出発し、先進7カ国首脳会議(G7サミット)の開催地である英国に到着した。G7開幕に合わせ、新型コロナウイルスワクチン5億回分を世界に供与すると表明する予定。G7サミットや北大西洋条約機構(NATO)首脳会議など、各国首脳との一連の会議を通じ、「復活した米国が民主主義をリードする」とアピールする見通しだ。
 バイデン氏はG7開幕前日の10日、米国がファイザー社製のワクチンを計5億回分(2億5000万人分)を購入し、2億回分を年末までに、3億回分を来年6月までに92の発展途上国などに供与すると発表する。G7では、世界が新型コロナを克服する計画策定を協議する。
 9日、英国到着直後に、米軍が使用する英南東部ミルデンホール空軍基地で演説。中ロを念頭に「歴史の転換点で、民主主義が優れていると証明する時だ。独裁者の物語はうそだと明らかにしなければならない」と強調した。そのうえで「世界の民主主義が団結し、われわれがその価値を守りリードする」と宣言した。
 バイデン氏の外国訪問は1週間。英南西部コーンウォールでのG7に出席した後、14日にブリュッセルでNATO首脳会議、15日は米・欧州連合(EU)首脳会議に出席。これらを踏まえ、スイスのジュネーブで16日、鋭く対立するロシアのプーチン大統領との初の米ロ首脳会談に臨む。
 バイデン氏は、同盟国を軽視したトランプ前大統領のもとで亀裂が入った米国と欧州との関係を修復し、最大の課題と位置付ける中国との競争に向け足並みをそろえ、協力関係を強化したい考え。プーチン氏との会談ではロシアの人権問題や民主派弾圧、サイバー攻撃などの問題を取り上げる一方、核軍縮などでは協議を模索したい考えだ。

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