どうなる20日期限の緊急宣言解除 東京、愛知など 「自粛疲れ」で人出増 感染者数下げ止まりも

2021年6月11日 06時00分
 群馬、石川、熊本の3県の新型コロナウイルスまん延防止等重点措置が13日で解除される。次の焦点は20日に期限を迎える東京都や愛知県などの緊急事態宣言解除の是非。「自粛疲れ」で人の流れは増加傾向で、新規感染者数は下がりきらない中での解除は可能なのか。専門家は、東京五輪・パラリンピック開催による人出増やインドで流行した変異株(デルタ株)による感染拡大を懸念している。(小坂井文彦、篠ケ瀬祐司)

◆まん延防止の3県は大幅改善で解除へ

 加藤勝信官房長官は10日の記者会見で、重点措置終了の理由について「感染が県全体に拡大する恐れがなくなった」と説明した。3県の新規感染者数は、発令前から大きく減った。県などの発表によると、石川は5月15日の45人から今月10日には7人、群馬は57人から8人、熊本は73人から9人に大幅に減った。
 人出も落ち着いている。多少増えている繁華街もあるが、NTTドコモの9日午後3時まとめでは、前年同月比、金沢市(香林坊)は7・2%減、前橋駅は6・8%減、熊本市(通町筋)は9・8%減だった。

◆会食増加で「ステージ2」に悲観論も

 緊急事態宣言が続く東京都の新規感染者も減少傾向にある。10日は439人。1週間平均は約392人で、28日連続で前日比で減った。感染状況の指標では、最も深刻なステージ4が約500人以上、ステージ3が約300人以上。現在は「3」のほぼ真ん中に位置する。
 このところの1週間で2割減のペースで単純計算すると、宣言期限の20日は280人。専門家が解除の目安とするステージ2の水準だが、多くは悲観的で、間もなく新規感染者は下げ止まると指摘する。
 重点措置を解除する3県と違って、繁華街の人出が増加している。都のモニタリング会議によると、4週連続で増加し、宣言が出た2週目(5月2~8日)と比べ、最近は夜間で32%、昼間で26%多い。
 感染者減少に寄与した酒類を提供する飲食店の休業要請は、破られつつある。協力金の支給が遅れ、6月に入って営業を再開する店が目立つ。会食が増えれば、新規感染者が増加に転じる可能性がある。東京の感染症対策に関わる専門家の一人は「20日に宣言解除は無理だ」とみる。

◆五輪リスク、インド株も懸念

 7月23日開幕予定の東京五輪もリスク要因だ。厚労省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」の座長を務める脇田隆字・国立感染症研究所長は9日の会合後に「五輪やパラリンピックがあれば、さらに(感染を)増加に向ける要素になっていくと思う」と指摘した。
 1会場の観客数の上限を5000人に制限しても、観客総数は100万人以上が見込まれる。無観客にしても関連イベントで人が動けば感染が広がりかねない。
 感染力の強さが指摘されるデルタ株への置き換わりも懸念される。厚労省によると、7日までの1週間で新たに34人確認された。前週は24人、前々週は21人と、増加ペースは速まりつつある。

関連キーワード

PR情報

社会の新着

記事一覧