東電、柏崎刈羽原発で新たに72カ所の工事不備、計89カ所に 総点検は今秋まで続く見通し

2021年6月10日 22時31分
 東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)の再稼働に向けた事故対策工事の完了発表後に一部工事の未実施が見つかった問題で、東電は10日、新たに72カ所で必要な工事を実施していなかったと発表した。今年1~3月に17カ所の施工漏れを確認しており、工事の不備は計89カ所に上った。
 東電によると、不備があったのは火災防護に関係する工事。原発の新規制基準では、火災時に壁や床の配管貫通部のすき間から延焼しないよう、配管に耐火材を巻き付けるなど対策が求められている。3月に4カ所で火災防護工事の未実施が判明したため、計約8000カ所ある貫通部を調べた。
 工事の未実施が複数見つかった原因として、(1)原子力規制委員会の審査で設備設計が変更となった際、社内の設計と工事の部門間の情報共有が不十分なまま工事を発注した(2)東電と施工会社との図面のすり合わせなどもずさんで工事が必要という認識ができていなかった―ことを挙げた。
 高所にある貫通部など目視で確認できなかった約2700カ所は点検を続けるため、確認作業は今秋ごろまで続く見通し。記者会見した東電新潟本社の橘田昌哉代表は「工事完了を宣言してから未完了が続くことは大変申し訳ない。信頼を取り戻せるように取り組む」と述べた。
 柏崎刈羽原発ではテロ対策の不備も相次いで発覚。規制委が4月に核燃料の移動を禁じる事実上の運転禁止を命じ、早期再稼働は不可能となった。 (小野沢健太)

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