中国全人代で「反外国制裁法」成立 欧米に対抗 報復合戦にエスカレートも

2021年6月11日 06時00分
 【北京=中沢穣】中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は10日、外国の制裁に対する報復について定める「反外国制裁法」を成立させた。新疆ウイグル自治区や香港をめぐって相次ぐ欧米諸国の制裁に対抗する姿勢を明確に示した形で、欧米と中国との制裁の応酬がエスカレートする恐れがある。
 新華社などが伝えた。法律の内容は示していない。中国企業が外国の制裁で受けた損害の賠償請求や、中国への制裁を主導した外国政府高官への報復のほか、外国の制裁に従った企業への罰則なども含まれる可能性がある。日本を含む外国企業が欧米と中国の板挟みとなりかねない。
 全人代は3月に公表した活動報告で、今年の主要任務として「(外国の)制裁や干渉に対抗するために、法律の『道具箱』を充実させる」と明記していた。全人代の報道官は「西側諸国は中国を抑え込むために、新疆や香港などを口実とした制裁を科してきた」と主張。「国家主権と核心的利益」を守るために必要な措置だと説明した。
 中国はこれまでも欧米などの制裁に対し、同程度の報復制裁で対抗してきた。法的根拠を整備することで、欧米などのさらなる制裁をけん制。実際に制裁が発動されればより強力な報復で対抗するとみられる。
 香港英字紙、サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)によると、同法の制定は昨年から準備が始まったが、昨秋の米大統領選挙後に米中関係が改善するとの期待から様子見が続いていた。しかしバイデン米政権も中国への圧力を緩めず、今春には米英や欧州連合(EU)などが新疆での人権侵害をめぐる対中制裁で足並みをそろえた。こうした動きを受けて、習近平政権は立法作業を加速させていた。

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