<新型コロナ>多摩地域の30市町村 65歳以上のワクチン1回接種 4割に迫る

2021年6月11日 06時42分
 多摩地域で新型コロナウイルスワクチンの一回目の接種を終えた六十五歳以上の高齢者が四割に迫っていることが、三十市町村への取材で分かった。政府が目標に掲げる「七月末までの完了」は、二十六市町村が可能との見通しを示し、残る四市町も条件付きで達成できると回答した。ただ、接種の進行状況は自治体間で差が開いた。医療従事者数や地元医師会との連携が影響しているとみられる。

◆26市町村「7月完了」

 接種状況は今月七~十日に各自治体の担当者から聞き取った。多摩地域全体で百八万人余りの高齢者のうち、約36%にあたる約三十九万人が一回目の接種を終えている。かかりつけ医による個別接種を集計できていない市もあり、実数はさらに多いとみられる。
 小金井、八王子、立川の三市では、六割以上が一回目の接種を終え、二回目の接種を進めている。一回目接種率が九割を超える日の出町は、自治会単位で接種日を指定。担当者は「地元で声を掛け合って会場に足を運んでくれた。ネットでの予約に協力してくれた自治会もあった」と語った。
 調布、三鷹、東久留米の三市では、個別接種の状況は「把握できない」と担当者が頭を抱えている。各医療機関から市が回収する予診票などが紙のため、専用機器で読み取ってデータ化するのに手間取っている。調布市の担当者は「あまりにも紙の数が多くて大混乱している」と明かす。
 接種が立ち遅れた自治体は、集団接種会場の増設や打ち手の確保を課題に挙げる。昭島市の担当者は「接種会場を増やし接種スピードを上げる」と説明。地元医師会以外の民間の医師と委託契約を結んで医療従事者を確保する予定だ。
 あきる野市では特別養護老人ホームの設置を巡り、市と医師会の間に不協和音もあったが、担当者は「市内二十二の医療機関から個別接種に協力を得られている」と話した。羽村市の担当者は「医師に休み返上で協力してもらっているが、市内のクリニックは多いとは言えない」とこぼした。

◆「完了」定義バラバラ 国が明示せず

 二十六自治体が可能と答えた「七月末までに完了」の意味には、ばらつきがある。多くの自治体は集団免疫達成の目安とされる六割〜八割の接種を掲げるが、具体的な率は独自に判断した。高齢者の何割が接種を望むか分からない中、政府が「完了」の定義を示していないことが背景にある。
 多摩市や府中市は「希望者全員の接種」とし、具体的な数字を挙げていない。国立市も予約状況をみながら具体的な接種率を判断する方針。瑞穂町の担当者は「何をもって完了というのか分からない」と戸惑う。
 七割を目標にする八王子市は「希望者のとりこぼしのないようにしたい」と語る。羽村市は「当初は65%としていたが、接種が進んでおり、目標を上げる方向で検討している」と話した。

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