16年ぶりに時を刻む イセザキ・モールのからくり人形時計、修復再現 広井理事長「先輩の財産 継承したい」

2021年6月11日 10時39分

修理、復元されたからくり人形時計=いずれも横浜市中区で

 横浜市中区伊勢佐木町の商店街「イセザキ・モール」で十日、街のシンボルとして親しまれていた機械式時計が十六年ぶりに時を刻み始めた。故障していたが、設置当時の姿をできるだけ再現して修理した。午前十一時、時刻を知らせるバロック調の音楽と共に、からくり人形が動きだすと、商店街の関係者らは「懐かしい」などと感嘆していた。 (志村彰太)
 時計は一九七八年に設置された。高さは三・三メートル、幅と奥行きはそれぞれ一・三メートル。鐘を鳴らす神父、パンを焼くパン職人、ラッパを吹く音楽家など九体の人形がモーターで動く仕組みで「からくり人形時計」の名で親しまれ、イセザキ・モール商和会の広井晴雄理事長は「ここのシンボル」と話す。
 二〇〇五年ごろ故障した後は資金不足から修理できずにいたが、新型コロナウイルス流行で中止せざるを得なかったイベントの費用を充て、修理した。広報担当者は「新たなにぎわいづくりのため、復元を決断した」と話す。人形は青銅製とみられていたが、繊維強化プラスチック製だった。

30分ごとに流れる音楽と、からくり人形時計の動きをチェックする関係者ら

 修理・復元を担当したのは、製作元の「ノムラテクノ」(東京都港区、製作当時は乃村工芸社)。全て分解し、元の部品をできるだけ使って組み直し、緑青を吹いた青銅風に塗装した。バロック調の音楽は、商店街の事務所にスペアとして保管されていたテープから復元した。同社の小林敬治さんは「設計図も資料も何もないところからスタートした。製作に携わった会社のOBと連絡を取って情報を得た」と苦労を語る。
 からくり時計は三十分おきに動き、通行人を楽しませる。広井理事長は「先輩たちが残した街の財産を直せてうれしい。長く継承していきたい」と話した。

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