「ちばらき」交流の歴史 古地図や土器を展示 県立中央博物館大利根分館

2021年6月11日 07時10分

カッパや新田開発など、水とのかかわりが深いちばらきの生活を示す資料を展示=香取市で

 香取市の県立中央博物館大利根分館で企画展「ちばらき−千葉県と茨城県の境」が開かれている。現在の県境をまたがって古来、人々が往来した利根川下流域の歴史、水郷と呼ばれるようになった一帯で営まれてきた生活を、古地図や絵巻、土器などを通して掘り下げた。 (堀場達)
 ちばらきは、利根川を挟んで伝統的に結び付きが強い両県の地域性を表した造語。NHKの紀行・教養番組「ブラタモリ」で一昨年、取り上げられたのをきっかけに、同館は各種資料を使って、ちばらきを紹介することにした。
 今回紹介しているのは、廃藩置県で明治時代初期に存在した「新治(にいはり)県」を中心としたエリア。香取市から銚子市にかけた千葉の北東部、茨城の南東部を含む。
 キーワードは「香取海(かとりのうみ)」だ。江戸時代に利根川が改修され、現在の流路となるまで、霞ケ浦、印旛沼、手賀沼がひと続きの巨大な内海が形成されていた。鹿島神宮と香取神宮は、香取海をはさむような位置にあり、一帯では古来、海上交通を軸に、独自の経済、文化が発展した。

舟で巡れる三社詣での様子を示した江戸時代の絵図(大利根分館提供)

 香取海の名残は、水郷の各所にあり、江戸時代の新田開発で水上に土地を広げていった経緯などを、民具や地図でひもとく。この時代には観光客も増え、両神宮と息栖神社の「三社詣で」が流行、舟で名所巡りが楽しめた様子を古絵図で示している。
 墨痕鮮やかで、古代の作とは思えない「墨書土器」も。いずれも実物で、このエリアに現存する地名などが記されている。ユニークなのは、カッパの関連資料で、伝説や目撃談に基づく絵などが、来館者の関心を誘っている。
 秋山笑子主席研究員は「人々が水辺とどう向き合ってきたか。現代の生活に通じるものがあるかなどを考えていくと、興味深くなるのでは」と話す、二十七日まで。期間中無休、入場料は一般三百円など。

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