横浜のアミメニシキヘビの脱走騒動 発見したiZooの白輪園長「専門家と連携し捜索を」

2021年6月11日 07時51分

アミメニシキヘビを捕獲した白輪剛史園長

 横浜市戸塚区のアパートで五月、ペットとして飼育されていた体長三メートルを超えるアミメニシキヘビが逃げ出した騒動。発見に貢献した体感型動物園「iZoo(イズー)」(河津町)の白輪剛史園長(52)が本紙の取材に応じ、住宅での捜索の難しさや、専門家と警察などの間の連携不足といった課題について指摘した。 (山中正義)
 ヘビの「脱走」は五月六日夜に発覚した。白輪園長は翌七日、飼い主の男性から助けを求める連絡を受けた。男性との面識はなかったという。
 脱走のニュースは、テレビや新聞などで、繰り返し報じられた。白輪園長は、ニシキヘビの危険性が「あおられつつあった」ことが気掛かりだったという。ただでさえイメージがあまり良くないヘビ。「さらに悪くなるのはいやだった。解決しないと」と、二十二日の発見まで無償で何度も現場に足を運んだ。
 飼われていた部屋のベランダの網戸が少し開いていたことから、当初は外へ脱走したとみられ、警察などが周辺を捜索していた。だが、白輪園長は「外は寒いから家の中にいるか、外に出たとしてもそんなに遠くには行っていないはずだ」と直感した。
 アミメニシキヘビは本来、インドから東南アジアに生息。イズーでは通常、気温を二八度に保って飼育している。これを下回ると体調を崩してしまうという。七日の最高気温は二〇度にも満たず、その後もヘビにとっては寒い日が続いた。
 「建物内での潜伏」を補強する材料は他にもあった。脱走の目撃者はなく、逃げ道とみられていたベランダの手すりもほこりをかぶったまま。警察犬による捜索でも手掛かりはなかった。
 しかし、住宅での捜索は思うように進まなかった。「人が生活しているところは隅々まで見られない。限界があった」。屋根や壁などを調べるにも隣人などの許可が必要で、時間を要した。白輪園長は自ら交渉に当たり、捜索のため壁などを壊した場合に自腹を切って修繕することも申し出た。そして、警察が捜索を打ち切った翌日の二十二日。屋根裏を調べると、鉄骨に絡まるヘビを見つけた。

屋根裏に潜んでいたアミメニシキヘビ=いずれも横浜市戸塚区で(白輪園長提供)

 白輪園長は「警察や消防などが外を捜索してくれたからこそ外にはいないと確信できた」と感謝。ただ、専門家として意見を求められることはなかったという。アパート近くの雑木林を捜索しようとした際に断られたこともあったといい、「もう少し互いの連携が取れれば良かったかもしれない。それぞれに知見があると思う」と振り返った。
 結果的には被害が出ることもなく、幕を閉じた今回の騒動。白輪園長は改めて動物の飼育者に「絶対に逃げ出さないように飼育するのが責任。知恵を絞って管理するのが務めだ」と注意を促した。

 アミメニシキヘビの脱走騒動 5月6日夜、横浜市戸塚区のアパート2階で飼育していたアミメニシキヘビがいなくなっているのに飼い主が気づき、警察に通報。警察や消防、市などが大人数で捜索。ヘビは22日、飼い主が住んでいた部屋の屋根裏で見つかった。アミメニシキヘビは、動物愛護法で飼育に許可が必要な「特定動物」に指定されており、飼い主は市の許可を受けて飼育。しかし、逃げたときには許可を受けていた飼育施設とは別のケージで飼育していた。神奈川県警戸塚署は6月10日、市に無許可で飼育施設を変更したとして、同法違反の疑いで元飼い主の男性(24)を書類送検した。ヘビは茨城県内の業者に譲渡されている。

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