G7サミット開幕、トランプ政権時の「機能不全」から再生目指す

2021年6月11日 21時09分
バイデン米大統領(左)とジョンソン英首相(AP)

バイデン米大統領(左)とジョンソン英首相(AP)

 【コーンウォール=藤沢有哉、パリ=谷悠己】先進7カ国首脳会議(G7サミット)が11日午後(日本時間同日夜)、英南西部コーンウォールで3日間の日程で開幕した。新型コロナウイルスなど世界的課題への対応策の他に、自国第一主義のトランプ前米政権時に機能不全に陥ったG7自体の再生も課題。新興国を含む20カ国・地域(G20)が重要性を高める中、存在意義を証明する必要に迫られている。
 「民主主義や自由貿易といった、私たちを結ぶ価値観の表現手段としてG7を再起動させる」。議長国・英国のジョンソン首相は10日の英紙タイムズへの寄稿で、サミットへの意気込みを表現した。
 G7サミットは2017年以降、自由貿易や気候変動対策に後ろ向きなトランプ氏の参加で米欧対立の場に変容した。18年は「反保護主義」を盛り込んだ首脳宣言の採択後にトランプ氏が承認を拒否し、19年には包括的な首脳宣言の取りまとめを初めて断念。世界を先導してきた国際体制の威信は失墜した。
 G7は経済的影響力にも陰りが見える。サミットは1975年、東西冷戦下で西側諸国の集団指導体制を確立するため仏パリ郊外で始まった。仏外務省によると、創設当初に世界全体の7割を占めた参加国の国内総生産(GDP)は冷戦終結を経て4割に低下。代わって台頭した「BRICS」(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)を含むG20が世界経済の中軸を担う。
 多国間主義を重視するバイデン米大統領の就任に伴い、欧州側は今サミットでのG7再生を望む。新型コロナや気候変動対策で、世界を主導する姿勢を示したい考えだ。
 サミットには価値観を共有するインドや韓国など4カ国を招いており、中国やロシアの権威主義への対抗のため、民主主義陣営の広範な結束も構想。フランスのマクロン大統領は10日の記者会見で「本来の米国が戻ってきた。多国間主義の重要性が証明されるサミットになる」と期待した。

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