党首討論もっと活発に

2021年6月12日 06時44分
 九日水曜日、二年ぶりに行われた党首討論=写真=を、読者の皆さんはどのようにご覧になったでしょうか。
 この日、論説室の会議は討論開始前でしたので、執筆担当者が党首討論が行われるようになった経緯や問題点、今回の見通しなどを説明し、午後四時からのテレビ中継に注目していました。
 そこに映し出されたのは、野党の質問に正面から答えようとしない菅義偉首相の姿です。
 一番答えてほしかったのは東京五輪・パラリンピックを開くことで、新型コロナウイルスの感染が広がって医療体制が逼迫(ひっぱく)し、私たちの命や暮らしが脅かされることはないのか、感染拡大の中、東京大会を開く意義は何かです。
 その重要な問いに誠実に答えないだけでなく「東洋の魔女」「ヘーシンク」といった前回一九六四年の東京大会の思い出を長々と語る始末。
 私たちが聞きたいのは個人の思いではなく、首相としての責任ある説明ですから、十日の社説「疑問に答えぬ不誠実」で、首相の態度に厳しい評価を示すことにしました。
 当室宛てではありませんが弊社に意見をくださった読者の間でも厳しい見方が多いようです。「久しぶりの党首討論。質問が始まると相手も見ず、見合う原稿を探す首相」「あまりにもくだらなく腹が立った。ふざけた茶番」という具合です。
 その後、当室でも党首討論を振り返る機会があり「安倍前政権時代から、野党には正直に答えなくてもいいという態度が続く。党首討論を廃止に持ち込むため、わざと意味のないやりとりをしているのでは」と辛辣(しんらつ)な意見も。
 もちろん、そんな政権の思惑に、やすやすと乗せられるわけにはいきません。
 党首討論は、国民の関心が高い政策課題や政治理念について党首同士が議論を深める貴重な機会です。
 最近ではすっかり回数が減りましたが、今後、開催を増やしたり、全体の時間を延ばすなどして、活発な論戦が行われるよう、社説でも訴え続けていきます。 (と)

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