米中外交トップが応酬 中国はG7けん制「偽の多国間主義」 米国は台湾への圧力停止など要求

2021年6月12日 21時48分
ブリンケン米国務長官(AP)、中国の楊潔篪・共産党政治局員(共同)

ブリンケン米国務長官(AP)、中国の楊潔篪・共産党政治局員(共同)

 【北京=坪井千隼、ワシントン=金杉貴雄】米中外交トップのブリンケン米国務長官と中国の楊潔篪ようけつち共産党政治局員が11日、電話で協議し、激しく応酬した。米国が同日開幕した先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、中国に対抗するため民主主義国の結集を強調していることに対し、中国側が「偽の多国間主義だ」と反発した。
 米中外交トップの協議は3月の米アンカレジでの会談以来。開催中のG7サミットの主要議題の1つに中国を巡る諸問題が挙げられていることを受け、お互いに相手をけん制することで有利な展開を図る狙いがあるとみられる。
 中国外務省によると、楊氏は「真の多国間主義は、小さなグループの利益には基づかない」と述べ、G7サミットを舞台とした「中国包囲網」づくりをけん制。米国がG7サミットで取り上げる予定の台湾問題や香港や新疆ウイグル自治区の人権問題については「台湾は中国の一部で核心的利益だ」「人権問題に名を借り他国の内政に干渉するな」と批判した。
 新型コロナウイルスの発生起源を巡り、米側が中国科学院武漢ウイルス研究所から漏えいした可能性を指摘していることに対し「一部の人たちがまき散らしている荒唐無稽な作り話だ」と切り捨て「政治問題化すべきではない」と強調した。
 一方、米国務省によると、ブリンケン氏は楊氏に中国は台湾への圧力を止めるようにあらためて要求。香港での民主主義の後退、新疆ウイグル自治区での「進行中のジェノサイド(民族大量虐殺)や人道に対する罪」に懸念を表明した。新型コロナの起源調査では透明性を確保することも求め、中国側に対応を迫った。

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