根岸英一さん死去 ノーベル賞 効率的に有機合成

2021年6月12日 13時09分
 【ワシントン=共同】医薬品や農薬、液晶などの製造に役立つ効率的な有機化合物の合成方法を開発し、二〇一〇年にノーベル化学賞を受賞した米パデュー大名誉特別教授の根岸英一(ねぎしえいいち)さんが六日、米中西部インディアナ州インディアナポリスの病院で死去した。八十五歳。パデュー大が十一日までに発表した。死因は明らかにされていない。家族は来年、日本に埋葬する意向という。
 炭素を含む有機化合物をブロック玩具のように自由自在に組み立てる「クロスカップリング反応」を研究。炭素と炭素を結合させるのは難しかったが、反応を促す触媒に金属のパラジウムを使い、結合の目印に亜鉛を活用して効率を上げ、作成できる化合物の種類を増やした。パラジウムを触媒とする別のクロスカップリング反応を開発した鈴木章・北海道大名誉教授(90)らと同時にノーベル賞を受賞した。
 一九三五年、旧満州(中国東北部)生まれ。終戦後、神奈川県大和町(現大和市)に移住し、五八年に東京大工学部を卒業、大手繊維メーカーの帝人に入社した。休職中の六三年に米ペンシルベニア大で博士号を取得。帝人の退職後はパデュー大、シラキュース大を経て、九九年からパデュー大特別教授。二〇一〇年には日本政府から文化勲章を贈られ、文化功労者にもなった。

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