途上国向けインフラ整備支援策で合意 中国の「一帯一路」抑制策、米政府が公表<G7サミット>

2021年6月12日 23時48分
G7サミットの関連レセプションで言葉を交わすバイデン米大統領(左)とジョンソン英首相=11日、英コーンウォール(Andrew Parsons/英首相官邸提供・共同)

G7サミットの関連レセプションで言葉を交わすバイデン米大統領(左)とジョンソン英首相=11日、英コーンウォール(Andrew Parsons/英首相官邸提供・共同)

 【ワシントン=吉田通夫、コーンウォール=藤沢有哉】英南西部コーンウォールで開かれている先進7カ国首脳会議(G7サミット)は12日、途上国のインフラ整備を支援する新構想で合意した。米政府が明らかにした。中国が進める巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗する狙いで、同国内の少数民族ウイグル族への人権問題についても、13日にまとめる首脳宣言で懸念を表明する方向で議論している。
 新構想は「ビルド・バック・ベター・ワールド(より良い世界の再建)=B3W」。40兆ドル(約4300兆円)にのぼる途上国のインフラ需要に対し、国際金融機関を通じて民間企業の資金も活用しながら開発を支援する。インフラは地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」で定めた目標に沿った環境配慮型とし、資金提供に伴う汚職を防ぐための仕組みも盛り込む。
 中国は一帯一路に基づくインフラ開発支援を通じてアジアからアフリカまで広範囲に影響力を拡大しているが、過剰融資で中国依存から抜け出せなくしているとの批判もある。米政府高官は12日、「われわれと友好国は『一帯一路』に懐疑的だったが、自信を持って、われわれ共通の価値観を反映した代替策を提案する」と報道陣に説明した。
 また、首脳宣言では、中国の新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族を巡り、強制労働などの人権問題について懸念を盛り込む方向で調整中という。高官は「バイデン大統領は、強制労働が人間の尊厳を踏みにじり、中国が不公正な経済競争を進めている例だと考え、13日の会合でも首脳たちに対応を求める予定だ」と説明した。

◆「法人税率15%以上」も導入の方針

 このほか、首脳宣言では、国際的な税制について5日のG7財務相会合の合意を踏襲する見込み。各国の法人税率を15%以上にして企業誘致のための「引き下げ競争」を終わらせ、巨大IT企業など多国籍企業の課税逃れを防ぐための国際税制を導入する方針を確認する。
 国際会議の検討段階の情報を議長国以外の国が矢継ぎ早に公表するのは異例。ホワイトハウスは11日に公表した声明で「G7の首脳は米国の提案の周りに集まっている」としており、米国がトランプ前政権から一転して国際協調のリーダーの座に戻ったことを強調する狙いがあるとみられる。

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