神奈川県の新型コロナ対応職員 7割が過労死ライン 月平均残業80時間超

2021年6月13日 07時23分
 新型コロナウイルス対応をする神奈川県医療危機対策本部室で昨年度、複数月の平均残業時間が80時間を超えた職員が7割、1カ月でも残業時間が100時間を超えた職員が6割に上ることが、県への取材で分かった。いずれも過労死ラインの一つで、県人事委員会規則でも原則禁止している。ただ、災害時などの際に除外する規定があり、新型コロナ対応をする県職員の多くが1年にわたって「災害対応」を続けていたことになる。 (志村彰太)
 本紙は、管理職を除く本部室の四十六人、保健所の八十人の月別残業時間のデータを入手。保健所では複数月の平均残業時間八十時間超、一カ月でも百時間超だった職員がいずれも二割強だった。本部室職員の一人は一年間ずっと百時間を超えた。月の最長残業時間は、保健所職員の八月の百九十八時間だった。
 県人事委規則では他にも、月四十五時間超の残業は年間六カ月まで、年間の合計残業時間は七百二十時間までと定めている。本部室ではそれぞれ二十七人、二十一人、保健所では十一人、十人がこの基準を超えた。
 月ごとの傾向を見ると、感染者数に応じて職員の残業時間も増減していた。感染者数が減った昨年五、六月に長時間残業をする職員は減ったものの、その後は増加し、ピークの今年一月は四十五時間以上の残業をする職員は七十七人に上った。感染者数の減少とともに二、三月は再び残業時間は減ったが、ワクチン接種が本格化した四月以降は増えているという。
 県人事課の西海裕之課長は、健康を害す職員は出なかったとしつつ「新型コロナ対応は終わりが見えず、例外措置が一年続いてしまった」と反省。昨年度は特定の職員に仕事が偏る傾向があり、本部室に「業務負担の平準化」を指示している。
 本部室の埋橋美穂・管理担当課長は「月の前半にその時点の残業時間を集計して、長時間になりそうな職員の仕事を分割するなどし、本年度は残業が減ってきた」と成果を語る。
 業務の平準化では、職員の増員や他部署からの応援職員の派遣でも対応。本部室は当初の十五人から三倍に増え、応援職員は八百五十人いる。本年度は専門業務を担い業務が集中しがちな保健師と看護師を、派遣会社などにも依頼して最大百人を増やし、年度内に二十人を採用する予定。ただ、保健師や看護師は全国的に争奪戦で、予定通りに採用できるか分からないという。
 埋橋課長は「感染者の対応に慣れたと思ったら、ワクチンや変異株対応という新しい仕事が来る。特にワクチン担当は国の動きに大きく影響される」と、残業削減の難しさを語る。西海課長も「業務量が減る妙案があるわけではない」と頭を抱えている。

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