G7の五輪支持宣言、米教授が批判「何の権限もない」「ショーのもとで、健康ないがしろ」

2021年6月14日 21時00分
五輪のモニュメントの前をマスクの女性が通る

五輪のモニュメントの前をマスクの女性が通る

  • 五輪のモニュメントの前をマスクの女性が通る
  • ジュールズ・ボイコフ教授=本人提供
 【ワシントン=金杉貴雄】先進7カ国首脳会議(G7サミット)の首脳宣言に、東京五輪・パラリンピック開催への支持が盛り込まれた。五輪問題に詳しく、新型コロナウイルスの感染拡大につながる恐れがあると反対する米パシフィック大のジュールズ・ボイコフ教授(政治学)は13日、本紙の取材に「G7のリーダーが科学を深く調べていない証拠だ」と批判した。
 ボイコフ氏はG7首脳の五輪開催支持について「(菅首相以外の)首脳たちに何の権限もなく、象徴的に(開催を目指す)仲間の菅氏への敬意で支援を差し出したにすぎない」と指摘。「医療のリーダーや科学者は全体として、パンデミック(世界的大流行)の最中に五輪のようなスポーツショーを主催するのはひどいことだと考えている」と強調した。
 また「大規模なスポーツのショーである五輪と同様、G7も政治的なショーだ。二つのショーのもとで、世界の公衆衛生や日本の人々の健康のような当たり前ではあるがより重要な問題がないがしろにされている」と付け加えた。
 五輪開催については、国際オリンピック委員会(IOC)や日本政府が「注意深く考える代わりにただ鼻をつまんで突進している」と批判。「五輪の遺産の一つがパンデミックのさらなる拡大になりかねない」と警告した。
 ボイコフ氏は2月、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(当時)が女性蔑視発言をした際に米NBCテレビへの寄稿で辞任を求め、大きな影響を与えた。5月には東京五輪を中止する時が来たとする寄稿を米紙ニューヨーク・タイムズに掲載した。

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