水元公園散策のお供に 北区の中谷さん 木々180種の解説書

2021年6月15日 07時13分

水元公園で著書「木の博物誌」を手にする中谷俊雄さん=葛飾区で(百年書房提供)

 都内や千葉、埼玉県で植物観察会の案内人を務める北区在住の中谷(なかたに)俊雄さん(80)が、都立水元公園(葛飾区)の木々、約百八十種類について解説した「木の博物誌〜水元公園で見られる樹木〜」(百年書房、A5判)を著した。中谷さんは「手に取って公園を散策してみては」と話している。(井上幸一)
 水元公園は、都内で唯一水郷の景観を残す公園。中谷さんは二十年ほど前から、毎月第一日曜日に活動する「みずもと自然観察クラブ」に参加し、会報の「かいつぶり」に園内の樹木を説明する原稿と自筆のスケッチを寄せてきた。
 「木の博物誌」は、長年にわたる連載を一部改訂してまとめて掲載。樹木の名前は使いやすいようにアイウエオ順に並べ、アオギリから始まり、ロウバイで終わる。「ケヤキは冬の空を掃く帚木(ほうき)である」「ヒノキは火の木である。昔は木を擦りあわせて火を起こした」など、詩的で博識な文章が並んでいる。
 中谷さんは一九四〇年、現在の文京区生まれ。戦争で疎開したのを機に、富山県で少年時代を送った。野草を食べ山芋を掘って育った体験から、自然に関心を持った。浦和市(現さいたま市)に住んでいた際、会社勤めの傍ら自然観察会に通い、埼玉県植物誌の改訂の際は調査員として奥秩父を担当、数多くの樹木の名称を覚えた。
 退職後、通い詰めた水元公園は「隅々まで知り尽くしている」。その魅力を「市街地のそばなのに豊かな自然がある。渡り鳥も飛来し、撮影スポットとしても人気がある」と語る。
 宮沢賢治の研究にも熱心で、数々の関連本を出している中谷さん。「水元公園には、まだ書いていない樹木がある」と、自然観察会への参加、会報の連載も続け、八十歳を超えても執筆意欲は衰えない。
 「木の博物誌」は希望者に千五百円(送料込み)で販売可。問い合わせ、申し込みは、百年書房=電03(6666)9594=へ。

各ページにイラストがふんだんに使われている「木の博物誌」


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