自衛隊のワクチン大規模センター 遅れた対応、予約埋まらず

2021年6月15日 20時44分
自衛隊が運営する新型コロナウイルスワクチン大規模接種センターに向かう人たち =東京・大手町

自衛隊が運営する新型コロナウイルスワクチン大規模接種センターに向かう人たち =東京・大手町

 自衛隊の新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターは年齢制限を撤廃し、16日から全国の18~64歳を対象に予約を受け付ける。大量に余った予約枠を埋めるためだ。
 政府から国民全体の接種計画が示されず、需要予測もないまま5月24日に開設されたセンター。「走りながらの対応」。防衛省担当者は準備段階から、こう繰り返し口にしてきた。
 当初は自治体独自の大規模接種といった話はなく、東京、大阪両会場とも予約がすぐに埋まった。その後、ワクチン供給が安定し、自治体会場やかかりつけ医での接種が進むと、家から離れた会場に足を運ぶことをいとわない高齢者の利用を念頭に置いていた自衛隊会場の需要は激減した。
 防衛省は5月末に東京会場の対象地域として埼玉、千葉、神奈川3県を前倒しで拡大。10日に対象地域を全国に広げ、12日には電話受け付けも始めたが、予約は埋まらなかった。
 64歳以下で基礎疾患がある人や高齢者施設の従事者らへの対象拡大に、早期に踏み切れなかった背景について、防衛省担当者は「高齢者の接種機会を奪う可能性がある」「高齢者ニーズを見極めたかった」とした。政府が掲げる「7月末までの高齢者への2回接種の完了」に縛られたような形だ。
 ただ、既に64歳以下への接種を始めた自治体もあれば、世代や職種で優先順位を付ける自治体もある。さらに職域接種と、事態が動く中、接種機会を広く提供するため、柔軟な対応を取れなかったのかという疑問は残る。(星野恵一)

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