市内4カ所に給水スポット 昭島の「おいしい水」 市民利用の水道水 深層地下水のみ水源は都内唯一
2021年6月16日 07時11分
「地下水100%のおいしい水」と水道の水質をアピールしている昭島市が、市内4カ所に自由に水くみができる給水スポットを設置した。使い捨てにされるペットボトルを減らし、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)への理解を深めてもらう狙いもある。新型コロナの状況を見ながら、夏ごろに本格稼働させる予定だ。
給水スポットは、JR青梅線の拝島駅南口、昭島駅南口、中神駅北口、東中神駅南口に設置した。高さ約2メートル、市のキャラクター「ちかっぱー」が座るデザインは市民投票で採用した。正面のふたを開けて持参のボトルを置き、ボタンを押すと水が注がれる。
昭島市の水道水は都内区市町村で唯一、深層地下水のみを使っている。地下70メートルより深い層からくみ上げた水だ。約30年かけて地中に染み込んだ水は土壌がフィルターになり不純物が取り除かれ、ミネラル成分も溶け込む。市は「ミネラルウオーターと変わらないおいしさ」としている。
市は、ペットボトルの削減による環境問題への関心の高まりも期待する。スポット設置に合わせ、昭島の水500ミリリットル入りのアルミボトルも作った。市内の小中学生に給水スポットで利用してもらおうと、給水スポットと同じボトルカバーとセットで配る。アルミボトルは災害時の備蓄用としても活用する。
当初は、外国人にも昭島のおいしい水を飲んでもらおうと、昨年開催予定だった東京五輪・パラリンピックに合わせてスポットを整備する計画だったが、コロナ禍で大幅にスケジュールが遅れた。担当者は「水や環境の大切さを知ってもらうため、多くの人にスポットを利用してもらいたい」と話している。(布施谷航)
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