児童ら五輪観戦の「学校連携プログラム」 感染懸念で見直し広がる 平塚、南足柄など2市4町が中止

2021年6月16日 07時13分
 競技会場のある自治体の児童や生徒が東京五輪・パラリンピックを現地観戦する「学校連携観戦プログラム」。神奈川県内で中止を決める自治体が相次いでいる。新型コロナウイルスの感染収束が見通せない中、子どもが会場に移動することで感染リスクが高まることへの懸念が生じているためだ。(酒井翔平)
 同プログラムは、大会組織委員会が、五輪ならチケットを一枚二千二十円と通常より低額で提供する。県教委などが補助するため、子どもはさらに低い価格で入手できる。県教委によると、県内では八万八千枚の申し込みがあった。
 ただ、新型コロナが収束の兆しが見えない中、十四日現在で、平塚、南足柄、中井、松田、山北、開成の二市四町教委がプログラムの中止を決めた。
 このうち平塚市教委は、横浜市で開かれるサッカーなどを小中学生らが観戦する予定で五百四十人分を確保していた。「移動で感染リスクが高まる。感染拡大を受け、学校に市外での校外学習を控えるよう呼び掛けており、実施はその方針にも矛盾する」と話す。
 町内の一部が五輪の自転車ロードレースのコースになっている山北町教委は、ゴール会場の富士スピードウェイ(静岡県小山町)などのチケット五百十枚を予約していたが「変異株の増加が見込まれる上、会場が密状態になる恐れもある。子どもたちの安全を最優先した」と説明する。
 一方、今のところ実施方針を変えていない自治体もある。千八百人分のチケットを確保した相模原市教委は「子どもには一生に一度の機会。教育効果も高い。実施する方向で調整している」と話す。ただ、感染対策には気を使う。中学生は保護者同伴の上、分散して公共交通機関で移動させる方針。「少人数で移動してもらうなど、感染リスクを低減させていきたい」
 また、川崎市は十五日、市立中学、高校計九校の十二の部活から四百二十人分の観戦希望を受けていたが、感染拡大の懸念などから、百九十人分のキャンセルが出たと発表した。
 県教委は、市町村教委に対し、キャンセルする場合は二十三日までに報告するよう求めている。

◆「児童生徒の観戦中止を」 市民団体、県教委に要請書

「学校連携観戦プログラム」の中止を訴える「改憲・戦争阻止!大行進神奈川」のメンバーら=県庁前で

 神奈川県内在住の元教員らでつくる団体「改憲・戦争阻止!大行進神奈川」などは十五日、児童生徒が東京五輪・パラリンピックを現地観戦する「学校連携観戦プログラム」の中止を求める要請書を県教育委員会に提出した。
 要請書では中止を求める理由に「子どもの感染リスクを下げる」「引率する教職員の負担軽減」「医療崩壊を防ぐ」など五点を挙げた。県教委が中止を決断することで、市町村教委が倣うことを期待したという。
 品川孝司事務局長は「五輪自体をやめてほしいという声も増えている。外国人の観客がいないから、国際交流という意義も薄れている」と話した。
 同団体は近く、メンバーが住む横浜、相模原、横須賀の各市教委にも同じ要請書を提出する。(志村彰太)

◆平塚市 ライブサイトを中止 「市民らの安全優先」

 平塚市は十五日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、平塚競輪場で予定していた東京五輪・パラリンピックのライブサイトを中止すると発表した。担当者は「市民や関係者の安全を優先した」と説明した。
 市によると、大会期間中の計四日間実施予定だった。商業施設などでの開催を検討していたパブリックビューイングも取りやめる。

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