埼玉大、学食で困窮学生に1日200食を無料提供 コロナ禍でバイト、仕送り減少

2021年6月16日 07時15分

無料提供のカレーを食べる学生ら=さいたま市桜区の埼玉大で

 長引く新型コロナウイルス禍の中、アルバイト先の時短営業などで十分に働けず、経済的に厳しい状況に置かれている大学生も多い。埼玉大はこうした学生たちを応援するため、来月9日までの1カ月間、1日200食限定で学食を無料で提供している。(飯田樹与)
 さいたま市桜区の同大キャンパスにある第二食堂。無料提供が始まった八日、無料チケットを手にした学生たちが次々に訪れ、チキンソテーとホウレンソウをトッピングしたカレーを受け取っていった。「一食でも無料になるのは財布が助かる」。教育学部三年の菊地里奈さん(21)はおいしそうにほおばった。
 同学部二年の梁島菜々美さん(19)も利用した一人。昨春、県内で一人暮らしを始めたところ授業の大半がオンラインになった。県外の実家への帰省も考えたが、感染不安から断念。生活が苦しくなり、昨年六月からさいたま市内の飲食店でアルバイトを始めた。
 しかし、店も県の要請で時短営業となり、希望通りに働けていない。二度目の緊急事態宣言が出された今年一月は、週三日の勤務希望に対し、店から示されたのは月二日。収入はほぼゼロだったが、きょうだいが二人いて「親に負担はかけられない」と窮状を明かせず、貯金を取り崩して乗り切ったという。今も一週間の半分ほどは一日一食の節約生活。「学食はかなり量もあるから昼夜分になる。無料提供はありがたい」と喜んだ。
 同大によると、コロナ禍で親からの仕送りが減り、生活費や学用品などを自分で賄わなければならない学生が増えているという。困窮する学生を支援するため、昨年から返済義務のない「給付型奨学金」の制度を始め、自宅生には三万円、自宅外生には五万円を支給。学部生や留学生ら約千六百人が利用し、本年度も約千二百人の申請があるという。
 無料提供する学食は六百円相当で、一人一回利用できる。チケットは事前に先着順で配り、期間中に在籍学生の六割分に当たる約五千食を用意する予定。坂井貴文学長は「一人一食分を用意するのが精いっぱいで大きな支援とはいかないが、学生たちに応援する気持ちが伝われば」と話した。学食の無料提供や奨学金は寄付で賄っているという。

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