池袋乗用車暴走事故 飯塚被告「車の不具合、再起動で元に戻った」【詳報・被告人質問】

2021年6月21日 15時39分
14:15 被害者の父「とても悲しい」

東京・池袋の乗用車暴走事故で亡くなった妻の真菜さんと長女莉子ちゃんの写真を前に記者会見する松永拓也さん(右)。左は涙を拭く真菜さんの父上原義教さん=4月27日、東京・霞が関の司法記者クラブで

 松永さんの代理人弁護士は、飯塚被告が足の不具合について「脳の指令がうまく伝わっていないのかな」と述べたことについて、医師から指摘されたことかどうかを確認した。飯塚被告は事故後に指摘された内容だと説明し「最近は、どこかにつかまっていないと歩けない状態です」と述べた。
 続いて、真菜さんの父の上原義教さんが質問に立った。黒いスーツに紺色のネクタイ姿で、目は少しうるんだような様子だった。
 上原さんは「あなたは人間の心を持っていないのか。私からすると、とても立派な仕事をされ、立派に生きてこられた。そんな方が過ちを認めず、人の苦しみも分からない。とても悲しいです。つらいです」と切り出した。
 上原さんは「『私が全て悪かったです』と謝ってくれたら、私たちの苦しみ、悲しみはもう少し良かったかもしれない」と続け、事故から何年経ったかを尋ねた。飯塚被告は消え入りそうな小さな声で「2年です」と答えた。
 事故後の2年間をどう過ごしたかを問われると、飯塚被告は「わたくしは、事故の年の暮れぐらいから非常にふらつきが大きくなりまして」と語り始めた。脳の難病と診断され、毎日、運動機能を低下させないためのリハビリに取り組んでいることを明かし、「なかなかつらい毎日でありました」と語った。その後、続けて「それから真菜さんと莉子さんの月命日には必ずお線香をあげさせていただいておりました」とも語り、遺族の悲しみにも言及して「無罪主張することは心苦しい」とも述べた。
14:25「まだ悪いと思っていないか」
 上原さんは「あなたの話は自己中心的」と指摘。上原さんと飯塚被告の立場が逆だった場合として「(加害者が)車のせいにして裁判を続けていたら、あなたなら許せますか?」と迫った。
 弁護側が「仮定的な質問。事実をお聞きになるように」と異議をし、3人の裁判官が協議。裁判長は「お気持ちはよく分かるんですが、車のせいか、被告人のミスかは裁判の中で判断すること。事実を聞く質問の形にしてください」と求めた。
 上原さんは「まだ悪いと思っていないんですね」と聞き直した。飯塚被告は「本当に悔やんでおります。車で出なければ事故が起こらず、お2人の命もそのまま大丈夫だったわけですから」と答えた。 
▶次ページ 飯塚被告「私の家族は心配してくれている」

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