冷戦後最悪の状況で因縁の「敵」が駆け引き…米ロ首脳会談

2021年6月17日 06時00分
16日、スイス・ジュネーブで始まった米ロ首脳会談で、ロシアのプーチン大統領(左)と握手するバイデン米大統領=AP

16日、スイス・ジュネーブで始まった米ロ首脳会談で、ロシアのプーチン大統領(左)と握手するバイデン米大統領=AP

【ワシントン=金杉貴雄、モスクワ=小柳悠志】バイデン米政権発足後、初めてとなる米ロ首脳会談が16日、スイスのジュネーブで行われた。バイデン、プーチン両大統領は因縁の「敵」ともいえる関係で、互いに不信感は強い。緊張緩和と相互利益のため向き合うことになったものの、会談前から駆け引きの応酬が続いた。

◆10年続く長い確執

 「プーチン氏にはこう伝える。対立を求めてはいないが、ロシアが有害な活動を続けるならわれわれは報復すると」。バイデン氏は14日の記者会見で、プーチン氏に向け警告した。
 2人の確執には長い歴史がある。オバマ政権の副大統領だったバイデン氏は2011年、当時一時的に首相となっていたプーチン氏とモスクワで会談した際、「私はあなたに魂があるとは思わない」と言い放ったという。今年3月には、米テレビのインタビューでプーチン氏を「人殺し」だと思うかと聞かれ、「そう思う」と答えている。
 一方、米連邦捜査局(FBI)によると、ロシアは昨年の米大統領選に介入し、「親プーチン」のトランプ氏再選とバイデン氏の落選を図り、バイデン氏の次男ハンター氏とウクライナ企業の「疑惑」情報流布にも関与したと指摘されている。
 ただ、バイデン氏は核軍縮や気候変動問題を話し合うため、個人的因縁にこだわらない考えだ。

◆冷戦後、最悪の米ロ関係

 14日にはプーチン氏を「賢く、手ごわい。対峙するのに不足のない相手」と持ち上げた。その上で、サイバー攻撃やウクライナ東部への介入、クリミア半島の併合、民主派の弾圧問題などでは妥協せず「敵対継続か協調か」を迫る考えを示した。
 米ロ関係は冷戦後最悪の状況とされる。
 プーチン氏は、会談に先立つ米NBCテレビのインタビューで「米国はロシアを批判する以前に、自国の行動を振り返るべきだ」と述べ、民主派弾圧などの批判に耳を貸さない考えを示した。「ロシアには暗殺の習慣はない」とも述べ、反政権派の暗殺や毒殺未遂には関与していないと主張した。
 一方、バイデン政権がロシアに「国際社会の規範に応じた行動」を求めていることを受け、プーチン氏は「国際関係では安定と予測可能性が重要」として、関係改善の糸口は残す姿勢を示した。

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