オリパラアプリ、アベノマスク…会計検査院のチェック、与党反対で見送り

2021年6月17日 06時00分
 東京五輪・パラリンピックの選手ら訪日関係者向けに開発している健康管理アプリ(オリパラアプリ)の事業費や国民から「ありがた迷惑」などと批判の声が上がった、いわゆる「アベノマスク」の配布などを巡り、国会による会計検査院への検査要請が見送られることとなった。参院決算委員会で、契約の妥当性を調べるよう提出した野党の要請案に、「(同院の)検査事項が多い」として与党が同意しなかったためだ。(坂田奈央)
 会計検査院への検査要請項目の決議は、全会派一致が慣例。野党は①全戸に2枚ずつ布マスクを配布した事業の詳細な経費をはじめ、②当初は73億円の事業費だったオリパラアプリなど新システムの契約手続きや管理③給付金事業の事務費④予備費の使用―について検査を求めた。だが、いずれも与党が同意せず、予備費に関しては政府に適切な措置を求める「措置要求決議」にとどまった。
 決議に向けた協議は与野党の委員会理事らの間で行われ、要請案や議論の過程は公開されない。理事を務める国民民主会派の芳賀道也参院議員が9日の本会議で「4項目(の要請案)が自民党の反対で削除された」と明かしていた。
 4項目への反対について、与党関係者は「会計検査院が他に多くの検査を抱えているため」と本紙の取材に回答。オリパラアプリなどは事業が継続中で、検査が行われると担当省庁の負担が増すことも理由に挙げた。
 しかし、検査の現状について、会計検査院の担当者は本紙に「検査報告に期限はなく、検査が詰まっているということは特にない」と証言した。
 元同院局長の有川博・日大客員教授は「(同院の)自主的検査ができなくなるほどの(要請)件数ならともかく、数が多いという理由で項目を絞ることは普通では考えられない」と指摘。その上で「国会で見送られた要請項目でも国民の関心が高いと考えられるものは検査することが十分に想定できる」と期待した。

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