<コロナと生きる@いばらき>初栽培に成功も行き場失ったイチゴを発泡酒に 古河の「森ファーム」が発売

2021年6月17日 07時38分

発泡酒「いちごヴァイセ」をPRする森はる菜さん=古河市上片田で

 古河市の農業生産法人「森ファームサービス」が、栽培したイチゴを使ったビール風味の発泡酒「いちごヴァイセ」を限定百五十本(三百三十ミリリットル)で発売した。イチゴらしい赤く鮮やかな色味と爽やかな味わいが特徴だ。この一風変わったお酒を造ったのは、実は新型コロナウイルスの感染拡大で丹精込めて育てたイチゴが行き場を失い、それを逆手に取った苦肉の策でもあった。(出来田敬司)
 いちごヴァイセは、酸味を利かせたドイツ風の発泡酒。アルコール度数は5%。ホップの苦味を抑えつつ、軽くみずみずしい味わいがある。冷えたグラスに注ぐと、あかね色のお酒が白い泡を頂く形となり、SNS映えしそうだ。
 いちごヴァイセの生産は、宇都宮市の醸造会社「栃木マイクロブルワリー」に委託。森ファームの約二千平方メートルの畑で採れた「とちおとめ」「いばらキッス」「紅ほっぺ」などイチゴ六種を加工してもらっている。
 森ファームは一九九八年に創業した「農」の会社。古河市や結城市などに百二十ヘクタールの農地を持ち、米やソバ、ジャガイモなどのほか、みそやどぶろくなどの生産も手掛ける。
 ファミリー向けのたけのこ掘りやそば打ち教室なども開催し、文字通り農業の「六次産業化」を進めてきた。
 森ファームにとってイチゴの栽培は今回が初めての挑戦だった。農場には春から夏にかけては多くの来客があったが、「冬のイベントがなく、お客さまが少なかった」と事務販売部長の森はる菜さん(36)。イチゴは十二月〜翌年五月が旬の時季に当たる。イチゴ狩りを催し、家族連れを呼び込もうと考えた。
 栽培は試行錯誤しながらだった。ビニールハウスの温度管理に気を配り、正月もスタッフが交代で出勤し世話をしていた。その努力が実り、病気もなくおいしいイチゴができ、あとは客を待つばかりだった。
 しかし、新型コロナの感染拡大の影響で当てが外れた。農園の一般開放ができず、大量のイチゴが残ってしまった。森さんらスタッフはブルーベリーやラズベリーが欧州各国で盛んにビール造りに応用されているのを参考にして、イチゴで発泡酒を造ろうと思い立った。
 実は「それほどビールが好きではなかった」という森さんだが、「いちごヴァイセはおしゃれで、女性にぴったり。暑い日の午後に公園でピクニックをしながら味わうのはいかがでしょうか」とPRしている。
 一本税込み七百三十円。古河市上片田の直売所「里山の森ぽっぽ」で販売している。営業時間は午前九時〜午後五時。木曜定休。いちごヴァイセの問い合わせは森ファーム=電0280(77)0011=へ。

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