【会見詳報】菅首相 ワクチン接種で「状況一変」と期待感…尾身会長は楽観論にくぎ 

2021年6月17日 23時29分
 菅義偉首相は17日の記者会見で、東京五輪・パラリンピック大会に国内観客を入れて開催する方針を明らかにした。質疑応答では、感染リスクがある中で五輪を開催する理由について「ノーと言えないのか、プライドか、経済の理由か」と問われたが「ノーでも、プライドでも、経済でもない。感染対策を講じられるからだ」と強調した。さらに菅首相はワクチン接種で「状況が一変し、皆さんが街に出て、にこやかな顔で食事をする日を日本も取り戻すという思いだ」と期待感を語ったが、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は首相の楽観論にくぎを刺した。

会見する菅義偉首相㊧と尾身茂会長

◆五輪開催「子供たちに夢や感動を」

 【冒頭発言】
 新型コロナ対策本部を開催し、北海道、東京都、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、福岡県は6月20日で緊急事態宣言を解除し、沖縄県は7月11日まで延長することを決定した。まん延防止等重点措置は、北海道、東京都、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県を新たに対象とし、期間は7月11日までとする。埼玉県、千葉県、神奈川県は7月11日まで延長し、岐阜県、三重県は6月20日で終了する。
 全国の感染者数は5月中旬以降、減少が続いている。ほとんどの都道府県で新規感染者数はステージ4を下回っている。しかし、地域によっては感染者数に下げ止まりが見られるほか、変異株により感染の拡大が従来よりも速いスピードで進む可能性が指摘されている。
 今後、何よりも警戒すべきことは、大きなリバウンドを起こさないことだ。大事なことは緊張感を持って対策を継続し、感染者数の上昇をできるだけ抑えることであり、同時に1日も早く希望する方へのワクチン接種を進め、医療崩壊を起こさないことだ。多くの皆さまに引き続き制限をお願いすることは大変心苦しい限りだが、安心できる日常を取り戻すため、ご理解とご協力を心からお願い申し上げる。
 重点措置の地域でも、引き続き飲食を中心とした対策を講じ、飲食店の午後8時までの(営業)時間短縮をお願いする。酒類は、感染防止策の徹底などの要件を満たす店舗では午後7時まで提供できる。都道府県の判断で、感染状況に応じて酒類の停止を要請することも可能とする。
 スポーツなどのイベントの人数制限については、重点措置の期間は、これまでと同様に5000人の上限を設けた上で、その後も厳しい制限をお願いし、1万人を上限とする経過措置を設ける。
 ワクチンの接種は、この1週間で合計730万回、1日平均100万回を超えるペースで増加している。累計の接種回数は2700万回を超え、1度でも接種した人の数は2000万人を超えた。今月末には4000万回を超える見込みだ。全ての市町村で、7月末には希望する高齢者への2回の接種が完了する見込みとの報告を受けている。
 16日に通常国会が閉会した。この国会は、緊急事態宣言のさなかに始まり、新型コロナと闘い続けてきた150日間だった。与野党の協力を得て、改正新型コロナ特措法を早期に成立させた。事業と雇用を守る(2020年度)第3次補正予算も成立した。
 感染症への対応を最優先としながら、この国会でも改革を実現してきた。9月1日にはデジタル庁が始動する。不妊治療は助成額を大幅に拡充した上で、この1月からスタートさせた。来年4月には保険適用する。一定以上の所得がある高齢者に2割の(医療費)負担をしてもらうための健康保険法の改正も成立した。長年の懸案だった土地利用規制法や(改正)国民投票法も成立した。
 東京五輪・パラリンピックは、世界のおよそ40億人がテレビなどを通じて大会を観戦するといわれている。東日本大震災から復興を遂げた姿を世界に発信し、子供たちに夢や感動を伝える機会になる。人類が新型コロナという大きな困難に直面する今だからこそ、世界が団結し、この難局を乗り越えていくことを日本から世界に発信したい。
 東京大会は安全・安心に開催すること、大会期間中は日本国内の感染拡大を抑え、大会終了後の感染拡大防止にもつなげていくことが不可欠であると考えている。皆さまには、家でのテレビ観戦などを通じてアスリートを応援していただきたい。
 私は(通常)国会の冒頭、国民の皆さんの安心を取り戻し、希望を実現すると申し上げた。感染防止とワクチン接種の二正面作戦に全力を挙げ、1日も早い安心の日常を取り戻す。長年の課題に答えを出し、ポストコロナの強い経済をつくり上げていくことで、希望を届ける。これが、国民のために働く内閣の使命だ。
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