神田明神がオンライン博物館開設へ資金募集 絵巻物や浮世絵 デジタル化

2021年6月18日 06時48分

オンライン博物館の開設を目指してクラウドファンディングを始めた神田明神=いずれも千代田区外神田で

 江戸期以降の浮世絵や絵巻物を所有する神田明神(神田神社、千代田区外神田)は、貴重な資料を確実に保存するとともに遠隔地からでも閲覧できるようにしようと、デジタル化によるオンライン博物館の開設を目指し、クラウドファンディングを始めた。7月16日までに300万円を集めたいとし、賛同者の協力を募っている。(井上靖史)
 「江戸総鎮守」とされる神田明神は江戸時代、多くの絵師たちが浮世絵を奉納した。明神によると、浮世絵だけで千五百点ほどにのぼり、ほかにも江戸期の絵巻物や古文書、掛け軸などが数千点ある。千代田区指定有形文化財(絵画)の「紙本着色 神田明神祭礼絵巻」など、歴史的価値が高いものも多い。
 明神の敷地内にある資料館は五百平方メートルほどと広くはなく、貴重な資料を十分に展示する場所がないという。展示などに伴う貴重な資料の損壊を避けることや、新型コロナウイルス禍で遠隔地からも貴重な資料を見られる環境の必要性を感じ、デジタル化を目指すことにしたという。
 二〇二三年四月の開設が目標。デジタル上で浮世絵千点、他の資料二千点ほどを閲覧できるようにする。これらの膨大な資料を三百六十度から撮影したり、スキャナーでデジタル化したりする作業に集めた資金を充てたいという。募集は十日に開始し、十七日午後五時現在で約百二十万円が集まっている。
 資料館を担当する同明神の岸川雅範禰宜(ねぎ)は「研究などにも役立つ資料を遠隔からも皆さまに確認していただけるようにしたいので、ご協力をお願いします」と呼び掛ける。専用サイトは「神田明神 クラウドファンディング」で検索。 

◆初代タイガーマスク ゆかりの70点 資料館で27日まで展示

 プロレスラー「初代タイガーマスク」の歴代マスクやシューズ、写真などゆかりの約70点を並べた展覧会が、神田明神の資料館で27日まで開かれている。初代タイガーの佐山サトルさんが現役時代から、神社ともつながりが深い武道精神を重んじたことにちなみ、登場から40周年を迎えた今年、「佐山武道〜初代タイガーマスクの武道精神と日本文化〜展」と題して同明神が企画した。

初代タイガーマスクゆかりの品を並べた佐山武道展

 佐山さんは華麗な空中技で1980年代のプロレスブームをけん引。当時から勝敗だけでなく、自己鍛錬や不動心といった考え方を重視してリングに上がったとされる。展示では、ファンが楽しめる当時のポスターや歴戦の記録のほかに、国学や神道、朱子学、陽明学などの資料を並べ、精神的な背景を解説している。
 19日午前11時からは、佐山さんの息子で代理人を務める佐山聖斗さんによる講演会が同明神で開かれる。希望者は明神のホームページから申し込む。展覧会の入館料は大人300円、学生200円、中学生以下無料。講演会は1500円。
 問い合わせは神田明神=電03(3254)0753=へ。

関連キーワード

PR情報

東京の新着

記事一覧